駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・フェザー級10回戦/●ソーントーン・シットゴーソン[タイ国](3R3分01秒KO)武本在樹[千里馬神戸]○

メインは千里馬の2番手格・武本在樹が登場。当初対戦予定だった世界下位ランカー・アドルフォ・ランデロスが負傷欠場となり、結局は3戦連続でタイ人との調整戦となった。しかしこのカード変更、パンフレットの表紙印刷が間に合うほどの早い時機に決定しておきながら、高砂・千里馬両ジムの公式サイトで告知が為されなかったのは不誠実だったと付記しておく。
両者の戦績を紹介しておくと、ソーントーンはこれが5回目の来日で、過去4戦はいずれも敗戦だが、戦い振りはなかなか戦意旺盛で、あわやの僅差判定というケースもあった。ただ、普段はSフライ〜バンタム級を中心に活動しており、今回は相当な増量を施しての参戦。ちなみに前回来日は3/22の「グリーンツダVSギャラクシー対抗戦」での村井勇希戦(バンタム級契約・0−3判定負け)。
そして、迎え撃つ日本フェザー級2位の武本の戦跡は18勝(11KO)5敗1分。本来はインパクトのあるKO勝利が魅力の選手だが、日本タイトル戦で負った眼底骨折からカムバックしてからの2試合はタイ人相手に不本意な判定勝利に甘んじており、今回は再浮上のきっかけを模索する再起3戦目となる。


武本が久々のKO勝ち。ここ最近では見られなかったアグレッシブさで上下左右にメリハリのあるパンチを散らし、それを巧く有効打・クリーンヒットに結び付けて、とりあえずは見栄えの良い圧勝劇を見せつけた。ただし、相変わらず不用意に被弾するなど懸念材料を払拭したとは言い難く、今日のところは対戦相手との体格・パワー差(実質2.5階級下)に助けられた感が強かっただろう。今回は再浮上のきっかけを掴んだだけでも大きな収穫なので「これで良し」とすべきだが、日本タイトル再挑戦をアピールするには、互角の体格とそれなりの実力を持った相手を今日と同じような展開で屠る必要があるだろう。