駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第6試合・フェザー級4回戦/○山本敏充[江坂](3R2分17秒TKO)山下将臣[高砂]●

両者戦績は山本4勝(4KO)無敗、山下4勝(1KO)1敗1分。
1R。山本がクリンチ気味に密着戦を仕掛け、いきなり膠着気味の試合展開に。消化不良の展開がラウンド中盤まで続いたが、山本が左ストレートをクリーンヒットすると猛烈な連打攻勢で仕掛けていった。結果的にこれは不発に終わったが、ジャッジに攻勢を印象付けた。
2R。山本はこのラウンドも頭を低くして密着し膠着戦へ。まず相手を好きにさせないという、グリーンボーイらしからぬ戦術。そうして勝機窺いつつ、左ストレートを狙い撃って2発クリーンヒットさせる。だがこの攻めは散発的に終わり、ラウンド終盤には山下も山本をロープに詰めて上下へ連打を浴びせかけるシーンもあった。だが山本もこの攻撃を堅守して形勢逆転を許さない。
3R。山本は地味なインサイドワークを駆使して実にクレバーな戦い。要所要所でストレート中心の強打を決めてリズムを掴むと、最後はクリーンヒットを奪ってから連打で畳み掛けてTKOをもぎ取った。
山本は頭を低く密着していって相手の持ち味を完全に殺す“塩漬け”のファイト。タイミング良くストレートを狙い撃ちしてクリーンヒットを奪い、最後は少ないKOチャンスを逃さず連打をまとめていった。これで5戦全勝、5KO。このパーフェクトレコードはどこまで続くか注目。
山下は全く自分のボクシングをさせてもらえずに完敗。打ち合いでもハンドスピード、精度、キレとあらゆる要素で圧倒された。本人にしてみれば力負けした感は無いかも知れないが、明らかに格負けだった。既に4勝しており6回戦に出場する権利もあるが、戦績ほどの地力は身についておらず、マッチメイク方針を誤ると勝利の女神から三行半を突きつけられる可能性もある。