駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第2試合・ウェルター級契約ウェイト(65.5kg)4回戦/○竹内幹雄[明石](判定3−0)金谷将三[千里馬神戸]●

両者戦績は竹内が未勝利で3敗、金谷が2勝(0KO)3敗1分。竹内はウェルター級で、金谷はSライト級で新人王戦にエントリーするも、共に緒戦で敗退している。両者その敗戦からの再起戦という事になる。
1R。竹内が圧力かけつつ攻勢に出て、右ストレート、左ジャブにボディブローでヒット数優勢。金谷もボディブローで抵抗も、パンチの精度が甘く決め手に欠ける。それでもラウンド終了直前に右アッパーを有効打して肉薄する。
2R。竹内はこのラウンドも圧力をかけつつボディ中心にショートブローで手数を稼ぐ。金谷はこの攻勢を捌いて手数を返したいが、反撃狙いはクリンチに逃げられてビハインドの解消ならず。それどころか水で濡れた自コーナーでスリップした際にダウン扱いされる不運も重なり、このラウンドは2点のビハインドを負う。
3R。竹内の圧力攻めが続く。決して精度の高いパンチではないが、豊富な手数の中のジャブやボディブローがヒットする。金谷もショートフック中心に連打を振るうが、やはり精度を欠いて決め手無し。
4R。このラウンドも竹内の強いプレッシャーを伴う手数攻めが機能し、ドサクサ紛れ気味ながらヒット数でも優位。金谷は最後まで後手に回らされて自分のボクシングが出来ず終いだった。
公式判定は新井38-36、半田38-37、上中38-37の3−0で竹内。駒木の採点は「A」「B」ともに40-35で竹内優勢。結局は2Rの“疑惑のダウン”が勝負の決め手になってしまった。この裁定を下した野田レフェリーは8月末にも同様のレフェリングミスがあったばかり。短期間で2度も重大なミスを犯すとは言い訳の仕様の無い失態で、猛省を促したい。試合後に青コーナー側応援団からは「もう審判辞めろ」との罵声も飛んだが、その言葉を吐かせた無念さは理解出来る。ただし、採点そのものは随分と金谷に甘く(というか“未勝利3敗以上ルール*1”適用で竹内に厳しく)、結果的にこのダウンは絶妙の点数調整機能を果たしたようにも思えた。
さて竹内は随分とケチがついた形になってしまったが、これで念願の初勝利。今日は終始アグレッシブに手数を絶やさず、よく戦った。やや相手に恵まれた感もあったが、今日はスコア以上の内容勝ちだと言っていいだろう。
敗れた金谷は不運も有ったが、相手のプレスに屈して後手後手に回ってしまい大苦戦。精度の無いパンチでは反撃もままならず、今日はお手上げ状態の完敗。

*1:西日本地区の傾向として、デビュー3連敗以上の選手には採点が非常に辛くなるケースがある。形を変えた引退勧告ではないかと思われるが、必死に頑張っている選手が可哀想だ