駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第4試合・ライト級8回戦/●福原寛人[江見](6R2分49秒TKO)西尾彰人[姫路木下]○

ここからはA級選手の試合となる。両者戦績は福原6勝(2KO)2敗3分、西尾7勝(5KO)3敗1分。福原は04年度新人王戦フェザー級西軍代表。全日本決勝敗戦後の再起戦に勝利したが、昨年10月のA級緒戦で9RTKO負けを喫し、今回はそれ以来の復帰戦。西尾は4回戦時代は新人王戦では2年連続予選敗退するなど足踏みをしたが、ここ2試合は6回戦で連勝してA級昇格を果たしている。
1R。フェイントやボディワークを駆使した、如何にもA級8回戦らしい様子見からスタート。殆どコンタクトの無いラウンドだが、福原が2発、西尾が1発、それぞれストレートを不完全ながら決めていて、採点に差をつけるとすればここがポイントか。
2R。このラウンドも初めは両者フェイントを使った駆け引きが多く、互いの強打を外し合う展開だったが、徐々に西尾の左ストレート、右フックが機能し始め、遂にはクリーン・ノックダウンまで持っていく。福原は明らかに効いていたが、何とか時間を潰して凌ぎ切った。
3R。ディフェンシブかつテクニカルな攻防で、ヒット数的にはロースコアの接戦。福原は左ジャブが僅かにヒットしたのみだが、西尾は右フック有効打にジャブと軽いストレートが2〜3発ヒットし、小差ながら優勢を確保か。
4R。互いに少ないチャンスを窺いつつ、ジャブ、ストレートを細かく当ててゆくガマン比べが続く。ラウンド中盤までは西尾がやや有利だったが、そこから福原はジャブから体ごと突っ込むようなストレートをクリーンヒットさせて印象的な場面を作り出した。
5R。このラウンドもロースコアな展開。互いに単発気味のジャブやドサクサ紛れのボディブローを当てては距離を取る内容に終始。優劣差は殆ど無く互角のラウンド。
6R。静かな中に必殺の空気漂う危険なストレートの狙撃戦。西尾がワン・ツーを決めて鮮やかにダウンを奪うと、追い詰められた福原は懸命にストレートをクリーンヒットさせて反撃するが、すぐさま西尾がクリーンヒットを追加しTKOを呼び込んだ。福原はストップに不満の色も、2度のダウンに加えて効いた素振りを見せていれば止められるのが当たり前とも言える。
西尾がA級8回戦に相応しいテクニカルな強打合戦を制した。フェイバリット・ブローである左ストレートのキレの鋭さはA級でも出色で、このパンチがどのレベルまで通用するか是非とも見てみたい。
福原もダウンを喫した2つのラウンド以外は互角に応戦していたが、最終的にはキラーショットの有無が明暗を分けた。これでA級は未勝利のまま連続TKO負けとなったが、決してこのクラスでも格負けしない地力はあるはずだ。