駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第1試合・Sバンタム級契約ウェイト(54.5kg)4回戦/○安藤敬済[千里馬神戸](判定2−0)宮崎隆司[姫路木下]●

第1試合は両者デビュー戦となる試合。
1R。両者キビキビした動きだが、気負いも大きくいかにも肩に力の入った打撃戦となる。安藤が左ジャブ、フックで先制して主導権掴むと、ラウンド中盤には宮崎も左フック効かせて反撃。しかし終盤には安藤が右ストレート、ワン・ツーで攻めてクリーンヒットを奪いヒザを折らせて突き放す。
2R。両者足使い、ボディワークも豊かな動きの激しい打撃戦。安藤が要所で力強い右ストレートを有効打、クリーンヒットさせて数的優勢と見栄えする場面を築く。宮崎も手数多いアグレッシブな攻撃を見せ、左フックなど良いパンチもあるのだが、劣勢が否めない。
3R。クロスレンジでの乱打戦。両者ボディフックからのアッパーを狙う攻防で、宮崎が圧力かけつつヒット数で先行するも安藤はラウンド中盤以降渋太くヒットを重ねて互角の形勢。
4R。宮崎が安藤をロープに詰めて終始主導権を掌握。強引な攻めだがボディ中心にショートフックの乱れ撃ち。安藤も上下にフックを打ち分けてヒットを返して粘り強く戦うが、ラウンド終盤に宮崎がヒット数を稼いで突き放す。
公式判定は上中39-38、大黒39-38、新井38-38の2−0で安藤。駒木の採点は「A」38-38イーブン「B」39-38安藤優勢。
4回戦上位級の攻防戦で見応え十分の第1試合。デビュー戦としては両者合格点以上の出来。
安藤は重い右ストレートを武器に4ラウンズのアグレッシブな打撃戦を戦い抜いた。ただし3R以降、相手に距離を潰されてから攻めあぐんだように、接近戦での対処が当面の課題か。
宮崎も体がよく動いておりセンス十分。4Rで見せた圧力攻めとインサイドワークは見事だったが、決め手に欠けて惜しい勝負を落とした。何か1つキラーショット的なパンチを身に付けたい。
なお、この試合で元日本Jウェルター級王者・新井久雄氏がジャッジデビューを果たした。先月同じくジャッジデビューした洲鎌栄一氏に続いての元日本王者レフェリーの誕生である。西日本で「元日本王者のレフェリー」と言うと縁起でもない話になってしまうのだが(苦笑)、是非とも公正かつ精確なレフェリー・ジャッジになって頂きたいと願う。