駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第8試合・Sフェザー級6回戦/○森川弘幸[高砂](判定3−0)吉村厚志[Gツダ]●

両者戦績は森川4勝(0KO)2敗1分、吉村4勝(1KO)4敗2分。森川は今年度新人王戦では準決勝で敗退し、これが再起戦。吉村は3/25の長谷川×ウィラポンの前座でB級緒戦を勝利で飾って、4回戦時代に大きく負け越していた勝率を五分にまで持ち直した。
1R。吉村、ボディストレートからの右アッパーでイニシアティブを奪うと、ワン・ツー、フック、アッパーを効果的に散らしてヒット数で優勢に。森川はワン・ツー中心の攻撃も、吉村のステップワークに捌かれて明確なヒットは1〜2発のみ。
2R。森川はワン・ツー攻勢で先制するが、吉村もすぐさま右フックを中心にメリハリのある攻撃で主導権を奪い返し、小差ながら逆転まで持っていく。
3R。吉村は右アッパー→左ストレートで有効打を奪い、一気に攻めかかるがこれは不発。逆に森川の粘り強い圧力攻めに遭って右ストレートを再三浴びせられる。この攻勢で森川が採点上の要素で逆転を果たす。
4R。ショートレンジの打撃戦。パーリングの要領で互いのパンチを相殺し合って互角の形勢が続いていたが、ラウンド後半からジワジワと森川の圧力が強まり、やがて右ストレートでヒットを奪って僅かながらアドバンテージ。
5R。このラウンドも近距離での打撃戦。やはり森川の圧力が強く、主導権支配でもやや有利に働く。両者決定打に欠ける展開だが、目立つのは森川のストレートやボディブロー。
6R。吉村はアッパー起点に先制攻撃。気迫のこもった戦い振りで、このラウンドは攻勢点でもやや優勢か。森川も手数出して互角に戦うが、吉村の粘りに手を焼いてリードを奪えず。
公式判定は北村、上中、大黒の三者とも58-57で森川を支持。駒木の採点は「A」57-57「B」58-58でいずれもイーブン。
森川は序盤の2ラウンズは相手の6回戦相応の技巧に苦戦を強いられるも、3R以降は泥仕合気味の展開に持ち込んで、攻勢点を稼ぎ際どくポイントアウト。技術劣勢の中でも勝利を掴み取ったのは賞賛に値するが、まだ力任せで荒削りな面が目立ち、6回戦では平凡な実力と言わざるを得ない。今後更に上位を目指すうえでも、この勝利に酔い潰れる事無く、もっともっと精進を重ねてもらいたい。
吉村は3R以降相手の土俵にまんまと乗せられてしまい、序盤戦の優位を守りきれなかった。自分の持ち味を活かせるような、冷静な試合運びが出来るようになって欲しい。