第３試合・フェザー級６回戦／●忠地啓太[ウォズ]（６Ｒ２分30秒ＫＯ）金沢かつし[ハラダ]○

両者戦績は忠地６勝(2KO)４敗、金沢５勝(2KO)５敗。忠地は昨年度の新人王戦で西日本決勝までコマを進めるも１ＲKO負け。その後も迷走するような試合内容で連敗を重ね、ここまで長期休養していた。金沢は新人王戦２回戦で、後の西軍代表・金丸清隆[正拳]に敗れて以来の再起戦。
１Ｒ。金沢があからさまな強打狙いに出ると、忠地もこれにカウンター気味の強振で応じてリスキーな打撃戦に。忠地も散発的に右ストレートやフックを決めたが、金沢がラウンド半ばで得意の右フックをクリーンヒットさせて鮮やかなノックダウン。
２Ｒ。ロングレンジからヒット＆アウェイの打ち合い。共にワン・ツー、フック中心の強振合戦でスリリングだが、ヒットは不完全かつ少数で両者戦果の乏しい内容に。全体的に見れば忠地が小差リードで最終盤を迎えたが、最後の最後に金沢がヒット２発で肉薄する。
３Ｒ。ラウンド前半は距離を取っての牽制に終始も、後半から忠地が先手で攻勢に出る。左を当てて主導権を握ると、その後も左でヒットを連発して優勢ガッチリ。
４Ｒ。このラウンドも距離を開けての打撃戦に。忠地が左、金沢が右の強打を中心にダメージ・ヒットを狙う。忠地がラウンド前半を支配するが、後半からは金沢がワン・ツーを立て続けに決めて逆転した。
５Ｒ。ラウンド序盤は牽制ばかりだったが、中盤からは距離の詰まった打撃戦。忠地がフック中心に右強打を当て、終盤にも右ストレートを有効打して優勢。金沢もフックで応戦して差は小さいが……
６Ｒ。ジャブ、ストレート中心の打撃戦。金沢がワン・ツーにフックを散らした３〜４連続のコンビネーションで打ち合いを優勢に制すと、ワン・ツーで抵抗する忠地を振り切るように左右の連打を浴びせてクリーン・ノックダウン。カウントの始まった直後にタオルが投入され、KOの裁定。
金沢は１Ｒに得意の右フックでダウンを奪ったが、その後は彼らしからぬワン・ツー中心の攻撃を多用し、やや攻めあぐむ場面も。だが最後は、そのワン・ツーにフックを融合させた攻勢で一気に突き放した。この進境とそれに至る意欲は大いに買いたい。６回戦上位から８回戦にも手が届くパフォーマンス。
忠地は、ここ２戦で見せた迷いを吹っ切るように、以前のそれに近い攻撃的なファイトスタイルで臨んだが、連打の打ち合いで負かされて無念の三連敗。今日は迷走の末、ではなく現時点での地力の差での敗北。言い方を換えれば、上を目指そうとする選手と、以前の自分を取り戻すのに奮闘する選手との勢いの差がモロに出た形。