駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第4試合・フライ級8回戦/○デスペラード泰[金沢](3R2分59秒KO)プーパ・ルックナンギャントーイ[タイ国]●

デスペラード泰は9勝(4KO)6敗4分の戦績。長らくランキング圏近くの位置でキャリアを重ねている選手で、ここ3年は年2試合のペースを守っている。タイ人相手の試合は03年を最後に行っていなかったが、今回は相手が決まらなかったのか正体不明のノーランカーを相手に迎えての調整戦となった。
対する舌を噛みそうなリングネームのプーパは、ムエタイ兼業のノーランカーで今回が初来日。8勝(2KO)4敗とアナウンスされたが、この2の倍数で適当に揃えたように見える戦績の信憑性は極めて薄い。
1R。プーパは国際式のファイトに戸惑っているのか、ロープ際を伝って逃げるばかりの完全噛ませモード。泰はこれをジワジワ追い詰めつつ、ラウンド後半からはワン・ツーで手数を出していって不完全ながらヒットも奪う。
2R。泰は圧力をかけて左右フックにワン・ツーをカウンター気味に当てて手堅くリード。プーパは漸く手が出るようになり、ラウンド終了直前には右を数発ヒットさせるなど健闘。
3R。タイ人はアグレッシブさを出すが技術伴わず、噛み合わない乱打戦に。両者不発目立ち、煮え切らない展開だったが、やがて守勢気味に陥ったプーパに対して泰がプレッシャーを掛け、ラウンド終了直前にはコーナーに詰めて左のダブルから乱暴な連打を振り回す。最後は当たったのが拳か肘か見分けがつかないようなフックが頭を掠めて、プーパはイヤ倒れのダウン。とりあえず立ち上がったが、宮崎レフェリーは躊躇無く強引な10カウントで試合を打ち切った。
デスペラード泰が、変な意味で攻め難い曲者タイ人に手を焼きながらも、一応は危な気ない試合運びでKO勝ちを飾った。ただし、今日は戦績に1勝と1KOを積み重ねた事以外は何ら意義の無い試合だったと言えるだろう。