駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第1試合・フライ級4回戦/●前川和範[Gツダ](判定0−3)山本直輝[塚原京都]○

両者戦績は、前川は10/9のデビュー戦で劣勢のまま負傷ドローを拾って勝敗無しの1ドロー。山本は9/16に嬉しい初勝利を挙げて1勝(1KO)3敗2分。
1R。中間〜近距離での打撃戦。山本の左ジャブ、フック、右アッパー、ストレートを多彩なコンビネーションで上下に散らしてヒット、有効打連発。前川もワン・ツー、フックで手数集め、ボディに有効打を決めたが、固いガードに阻まれて劣勢。
2R。山本がこのラウンドも好調。左ボディ起点に左のダブル、右アッパーを好タイミングでヒットを量産。前川はフック、アッパー中心に手数攻めするが、カウンターをいくつか決めた他は山本のガード、ブロッキングに防がれた。
3R。このラウンドも山本の豊かなコンビネーションが手数、ヒットを稼いで印象的だが、前川の左右フックが漸く山本の守備網を掻い潜って決まり始めてヒット多数。ラウンド終盤には山本を効かせる場面もあって、このラウンドは互角。
4R。ショートレンジの乱打戦。前川は左右フックで、山本は右アッパー、左ボディに細かい連打を混ぜた攻めでヒット、有効打を交換してゆく。手数的にも甲乙つけがたくジャッジ的には微妙な印象。
公式判定は洲鎌40-36、新井39-37、半田39-38の3−0で山本。駒木の採点は「A」40-36「B」40-38で山本優勢。
山本は、良い意味で戦績に見合わぬコンビネーションで完勝。これまで消極的な姿勢が勝ち味の遅さに繋がっていた選手だが、ここに来て漸く実力が試合内容に反映され始めた。体や手のスピードは平凡ながら、短くないキャリアで培った技術がそれをカバーしている。地力は4回戦中〜上位級で、あと1勝してB級の資格を得るのもそう難しい事では無いだろう。
前川も手数を多く出して奮戦したが、相手のガード・ブロックを突き破る努力と工夫が足りない印象。相手の出方に応じて戦い方を調整する対応力が今後の課題か。また、今日は先手を奪われて苦しかった。