駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第9試合・フライ級4回戦/○宮崎亮[井岡](2R1分50秒KO)ダオトン・ティラサックジム[タイ国]●

インターハイ王者・宮崎のデビュー戦。初来日&ノーランカー(自称戦績2勝4敗)のタイ人・ダオトン相手とあって、興味はもはや勝敗よりも内容と勝ち方か。
1R。ダオトンは明らかにムエタイ式の構えで、消極的なカウンター狙い。接近戦を嫌がりホールディングを多用すると、早くも減点1のペナルティ。ここまで判り易い“噛ませモード”も珍しい。宮崎はスピードある足の動きを披露するが、攻め方は強引そのもの。組み付いて左右のフックを強振したKO狙いだがこれは不発気味で結局決め手に欠けた。
2R。ダオトンは頭から突進して宮崎をロープに詰めたが国際式経験の乏しさゆえか攻め手無し。宮崎は華麗なステップを見せるが、パンチは雑なジャブと強引なショートフックばかりの少ない手数でチグハグな所を露呈してしまう。それでも最後は左フックをクリーンヒットすると、返しの右を浴びせるまでも無くダオトンが倒れて10カウント。
宮崎はステップワークこそ“本格派”という印象も、それが肝心のジャブやコンビネーションと全くリンクしておらず、粗さばかり目立ってしまった。彼も第7試合でデビューした上谷同様、新人王戦はパスしてじっくりと育成される模様だが、それが正解だろう。4勝するまでに素質・センスと技術の融合を実現させて、スピードとスマートな技術を持ち味にしたテクニシャンに育って欲しい。今日のように歯ごたえの無い相手に素質だけで漫然と勝ちを重ねるだけでは、いずれ手痛いしっぺ返しを喰らうだろう。