駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第9試合・フライ級6回戦/●清水裕司[正拳](判定0−3)橋本泰治[尼崎]○

第1部のセミファイナルは、今年度の西日本新人王戦で健闘した両者の対決。
清水の戦績は5勝(1KO)3敗1分。プロデビューからいきなり2連敗(但し、相手は共に現A級の松下泰士[ヨシヤマ]と山本剛嗣[守口東郷])するも、引分けを1つ挟んで5連勝。今年度の西日本新人王戦で決勝まで進出する健闘を見せた。そこで敗退して後楽園への道は閉ざされたが、B級選手として心機一転、再浮上を目指す。
対する橋本の戦績は6勝(1KO)1敗3分。昨年に続いて今年も新人王予選は西日本ベスト4で敗退し、勝数規定で新人王への挑戦は今年限りとなった。だが既に10/9に6回戦で再起戦を行い、判定勝ちでB級初勝利を挙げている。
1R。近距離乱打戦。清水が右ストレート、フック中心にヒット、有効打浴びせて数的優勢。橋本はアグレッシブにアッパー、フック狙いもやや大振りで、攻め方が甘く見える。
2R。このラウンドも両者アグレッシブな乱打戦。橋本が左右フック中心に手数、ヒット数でリードも、相変わらずフックがオープンブローで見栄えが悪い。清水は右のストレート、フック、アッパー中心に時折鋭い有効打を浴びせて最後は劣勢挽回に成功。
3R。密着距離で乱打戦。橋本がフック連打にアッパー交えて手数・ヒット数で先行。清水も右で攻めたいが、クリンチ気味の膠着に持っていかれて反撃のタイミング掴めず苦戦。
4R。橋本の手数攻めが続く。左右フックはオープンブロー気味ながら、ヒット数、手数の優勢は揺るがない。清水はリズムを狂わせてしまい、ガード上への手数に終始する。橋本のステップ・クリンチワークが出色。
5R。橋本ペースの乱打戦が続く。橋本は絶え間なく動いて的を絞らせないまま、フック中心に膨大な手数を重ねてゆく。清水は反撃するも、橋本に攻めさせられているような感じ。自分の形に持っていけていない。
6R。橋本のペースを崩そうと、清水は再び右ストレート主体の攻めを展開して有効打を浴びせるが、ラウンド中盤以降はまたも橋本の手数攻めの泥沼に引き摺り込まれて主導権を見失う。ジャッジ的には微妙なラウンドだが……
公式判定は宮崎58-56、原田58-57、半田57-57の2−0で橋本。駒木の採点は「A]59-55「B」59-57で橋本優勢。
橋本が持ち味を存分に発揮して手数で圧倒。オープンブローの悪癖やパンチ力不足ゆえにスコア上は接戦になったが、主導権支配と攻勢点の観点では明らかに優勢だった。
清水は試合序盤こそキレと精度を伴った攻撃で優位を築きかけたが、そこからは橋本のインサイドワークに翻弄されてしまった。総合力では見劣りしないはずだが、まんまと相手の土俵に乗せられてしまった。