駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・Sバンタム級4回戦/●大恵幸義[新日本大阪](判定0−3)上野隆之[オール]○

大恵が未勝利1敗の戦績、上野はこの日がデビュー戦。大恵は昨年5月以来11ヶ月ぶりのリング。
1R。中間距離の打撃戦。両者ガード、ボディワーク共に拙く、ヒット数の多い展開。スピードで上回る上野が攻勢に出てジャブから右アッパー、ワン・ツーなどをヒットさせ手数でもリード。大恵はワン・ツー中心だが弱々しく映る。
2R。このラウンドも中間距離で打撃戦。上野は大恵のワン・ツーをコツコツ浴びつつも、フック、アッパー中心の連打を自在に放って主導権をガッチリキープ。数的にも優勢を守る。
3R。上野がこのラウンドもボディフック、右ストレート、左右アッパー、フック連打とコンビネーション放って優勢。大恵はしつこく抵抗するが、ヒットの質と量が違いすぎる。
4R。大恵はワン・ツー、ボディアッパーでアグレッシブに手数・ヒット数稼ぐ。上野も迎撃する形で手数集めるが、このラウンドは大恵の勢いにやや圧され気味。精度で勝る上野がヒット数そのものは互角以上で形勢微妙も……
公式判定は宮崎40-36、野田40-36、坂本39-37の3−0で上野。駒木の採点は「A」39-37「B」40-37で上野。
上野はスピード、ハンドスピード、パンチの精度でいずれも上回り完勝。だが今日は明らかに相手に恵まれての勝利で、守備面の拙さやパンチ力不足、そして未熟さの目立つ技術全般と課題は多い。これで回転力を身に付ければ面白い選手に育ちそうだが、現状は4回戦でも極めて平凡な地力。
大恵は緩慢な動きで身体能力の限界を露呈。勝ちに行く姿勢は窺えたのは収穫だが、この技術・体力では1勝は遠い。