駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第9試合・ライト級6回戦/○森下裕己[新日本大阪](判定3−0)大本健[ヨシヤマ]●

両者戦績は森下5勝(3KO)2敗、大本4勝(3KO)5敗。森下は06年ライト級の西日本新人王。西軍代表戦で川端康博[カシミ]に敗れるも、トーナメント全体で健闘ぶりが光った選手。この試合が再起戦。大本は05年9月以来のリング。その前の試合も04年6月と、試合枯れの傾向にあるが……。
1R。森下、序盤から手足のスピード差を見せ付けるような軽快な動き。ジャブ中心に鋭く手数を打ち込むが、大本のパンチに対応できない拙守ぶりも露呈して次々に被弾して効かされる。プッシングによるスリップという裁定ながら倒されてピンチも迎えた。
2R。森下、このラウンドも先手で鋭いジャブ、ストレートを放ち、クリーンヒットを奪ってグラつかせ、更にはロープへ詰めて猛攻するシーンを作る。大本も手数を返して抵抗するが、守勢の時間長くヒット数を稼げず。
3R。森下が左カウンターで先制するが、やはりディフェンス難を垣間見せて被弾を繰り返す。しかしラウンド終盤、右ストレートのクリーンヒットを起点にロープ際へ詰めての猛攻。左ボディも効かせて優位の場面も作る。
4R。ラウンド前半、大本は圧力攻勢に出てヒットも奪って先手。だが森下は一時守勢に回りながらも大本にロープを背負わせて左右フック、右ストレートなど次々と浴びせて足止めに成功。後半にはジャブを駆使して主導権奪回にも成功。しかしラウンド終了直前、偶発的ながらも大本の股間を直撃するローブローを打ち込んでしまい、痛恨の1点減点。
5R。森下はジャブ突いて主導権狙うが、手を止めたところでストレートなど被弾してしまう。ハンドスピードの鋭さで相撃ちには持ち込めるが、それでもラウンド後半は大本が圧力かけて攻勢点をアピールして優位に立つ。
6R。ラウンド前半、森下は左ジャブ、フック、右ストレートで先制するが、後半から大本が動き鈍った森下に痛打を浴びせ、ロープ際に押し込んでゆく。それでも終盤には森下が逆襲に出て何とか再逆転に成功か。
公式判定は原田、野田、宮崎の三者いずれも57-56で森下を支持。駒木の採点も「A」「B」いずれも57-56森下優勢。
森下が持ち前のハンドスピードある攻撃でヒット数稼ぎ、TKO寸前の場面も作った。しかし今日は相手の攻撃に対する反応がやたらに鈍く、その上にガードを軽視したディフェンスにこだわって被弾に次ぐ被弾で大苦戦。それでも僅差の辛勝にまとめる辺りが実力も、A級昇格後の課題も残った再起戦となった。
大本は地力で勝る相手に大健闘するも及ばず。相手の自滅に頼った試合では勝ち切れないという事か。