駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Sライト級契約ウェイト(63.0kg)4回戦/○古田勲[進光](判定3−0)宇川広之[アポロ]●

両者戦績は古田が未勝利5敗、宇川が1勝(0KO)3敗。古田は昨年8月末以来のリング。宇川は昨年12月、今年2月と精彩を欠いた試合振りで連敗中。
1R。古田はジャブを絶えず捨てパンチ気味に放ち、宇川の動きを牽制。そのまま宇川の動きを抑え込んで主導権支配に成功し、終盤には右ストレートも決めた。宇川は完全にリズムが狂っていて、手数が出ない。パンチ力を活かすべく強打を放つが、ハンドスピードの無い強振は余裕を持って捌かれた。
2R。古田はこのラウンドもジャブを絶え間なく放って主導権と手数優勢をゲット。宇川は古田が不用意に粗い連打を放って来たのに合わせてカウンターを狙い、ボディに連打を決めて一応の戦果を挙げる。だが古田もストレートで数発ヒットを奪っており、小差優勢は譲らない形。
3R。宇川は徐々に圧力を強め、古田のジャブには自らのジャブを合わせて相殺して主導権争いを五分に争う。ストレートのタイミングも合い始め、逆転の気配も漂うが、ラウンド終盤にストレートを決めたのは古田の方。
4R。このラウンドも古田のジャブが試合のリズムを作る。ヒットらしいヒットは少ないものの、宇川の攻めあぐみ似も助けられて小差優勢をキープ。宇川はラウンド終盤にアグレッシブな攻勢に出たが、これも空回りに終わる。
公式判定は宮崎40-36、野田40-36、洲鎌39-37の3−0で古田がデビュー6戦目にして念願の初勝利。駒木の採点は「A」39-37「B」40-38で古田優勢。
古田は捨てパンチのジャブ連打一本で主導権支配を徹底し、初勝利を飾った。根本的な手足のスピードは相変わらず酷く平凡で、不用意に連打を放つ際など、少し気の利いたカウンターを打つ相手ならたちまちKO負けの危険に晒されるだろうが、ともかくも今日は勝利の美酒に酔ってもらいたい。
宇川は泥沼の連敗から脱出できず4敗目。手足のスピード不足が悪い方、悪い方へ出ている。今日も本来能力的には優越しているはずの相手を攻め込むことが出来ず、不完全燃焼の大敗。仕方ない話だが、負けが込むごとに試合振りが縮こまって来ているのが大変に気になる。