駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

津田博明追悼興行(Gツダ主催)

数々のチャンピオンや名選手を輩出するなど西日本ボクシング界に多大な貢献を果たし、今年逝去されたグリーンツダジムの初代会長・津田博明氏の追悼興行が、地元・西成区民センターで開催された。アゼリア大正と府立第2の中間程度の広さのホールは、かつて全日本新人王決勝も開催された由緒ある会場だが、この日も超満員の観客で溢れかえる大盛況。直前には金銭面の大トラブルに見舞われ、一時は興行の開催も危ぶまれたほどだったが、この客席の様子を見た関係者は、ひとまずホッと胸を撫で下ろした事だろう。
全7試合・計46ラウンドのラインナップとなった今興行のメインは、Gツダジムの軽量級主力の一角・中島健が東洋圏の強豪ファニト・ルビリアルに挑むOPBF東洋太平洋Lフライ級タイトルマッチ。「“挑戦者決定戦”に敗れての挑戦」という臨戦過程には業界内外から疑問の声も出たが、実現した以上は良い内容で良い結果を出すのがベストの形。中島にとってボクシング人生の集大成とも言える重要な試合である。
その他の試合にもGツダの若手勢が多数出場するが、対戦相手に戦意の乏しい東南アジア勢は皆無。それぞれのレベルに見合った、若しくは手強い相手を在阪のジムから迎えてガチンコ勝負のオンパレードだ。Gツダジムの選手・スタッフが考える「先代会長に捧げる興行」とはこういうものなのだろう。安易な勝利よりも、中身のある激闘を。その心意気は、天国の博明氏やエディ・タウンゼント氏にもきっと伝わっているはずだ。


※駒木の手元の採点は「A」(10-9マスト)「B」(微差のRは10-10を積極的に採用)を併記します。「B」採点はラウンドマスト法の誤差を測るための試験的なものですので、(特に8回戦以上のスコアは)参考記録程度の認識でお願いします。公式ジャッジの基準は「A」と「B」の中間程度だとお考え下さい。