駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・フライ級契約ウェイト(49.5kg)4回戦/○山村和弘[大鵬](判定2−1)孫田敏晴[レンゴー]●

両者戦績は山村2勝(0KO)5敗1分、孫田2勝(2KO)2敗。山村は昨年末に敗れて以来、半年振りの再起戦。孫田も2/11に未勝利選手に初白星を献上する敗戦後からの再起となる。
1R。両者ヒット&アウェイで手と足を動かすも、そのムーブやパンチは乱雑。山村が上下に左フックを振るい、手数・ヒット連発で大差優勢とするが、ラウンド終盤に孫田がショートをクリーンヒットさせると山村はダウン寸前の大ピンチに陥って一気に形勢逆転。
2R。山村はこのラウンドもアグレッシブに先手。ワン・ツーやオープンブロー気味ながらフック連打、更にはアッパーまで繰り出して手数とヒット数で大差をつける。孫田はショートフック中心に反撃したが劣勢は否めず。
3R。山村はやや動き鈍り、その影響で孫田の左が機能し始めて有効打を奪うシーンも。だが山村は要所で手数をまとめ、孫田をロープ際に追い込んで攻勢をアピール。ラウンドが終わってみれば手数では山村がリードしており、形勢は微妙なラウンドに。
4R。クロスレンジの乱打戦。山村の左右連打に対し、孫田は左を上下に散らして山村を時折後退させる。ラウンド後半からは山村が手数を浴びせて孫田をロープに詰めるシーンが目立ち、“アグレッシブ”要素の優位は山村に傾いた。
公式判定は北村39-38、大黒39-38(以上、山村支持)、宮崎39-37(孫田支持)のスプリットデシジョンで山村勝利。駒木の採点は「A」39-37「B」39-38で山村優勢。
山村が終始手数で押しまくって03年8月以来、実に3年10ヶ月振りの勝利を得た。フックはオープンブロー気味、連打の質も悪く、パンチ力もさほど感じないが、今日はその辺りの拙さを気迫でカバーして押し切った。ただ、地力そのものは戦績相応で、B級昇格までのあと1勝にはそれなりの相手を選ぶ必要も出て来るだろう。
孫田は右のリードの使い方が今一つ。左の単発は相手を凌いでいたが、ガード意識の低さもあって被弾しては後退、主導権と攻勢点の劣勢をアピールしてしまう格好となった。地力は勝った山村と互角だったが……