駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2試合・Sバンタム級4回戦/●棚橋直樹[Gツダ](4R2分01秒TKO)上谷雄太[井岡]○

両者戦績は棚橋1勝(1KO)1敗、上谷2勝(0KO)。棚橋は今年4/1にプロ初勝利を挙げて意気揚々の3戦目。上谷はアマチュア時代に高校タイトルを獲得しているが、C級でのデビュー。ここ2戦は決して強豪とは言えない4回戦選手相手に手を焼き、プロの洗礼を浴びている真っ最中。
1R。棚橋がアグレッシブに追い足を使って攻勢に出る。ワン・ツーを的確に決めてダウン寸前のシーンまで作る。上谷もラウンド後半から左右の迎撃で有効打を連発して猛反撃。ガードの甘さが気になるが、攻勢に出た時の勢いはやはり一枚上。
2R。上谷が落ち着き取り戻したか、自分の距離とリズムを確保しジャブ、ストレートを的確に浴びせてヒット数で大差。棚橋はボディまで打たれて苦しむが、途中豪快な三連打をクリーンヒットして上谷を吹っ飛ばして見せるなど見せ場も作る。
3R。棚橋が体ごとプレスを仕掛け、至近距離での攻防戦へ。だがマトモな打ち合いでは技術で勝る上谷の優位が目立ち、数的には断然有利の形勢に。左ボディを効かせ、ラウンド終盤には自分の距離を取り戻して更に攻勢。棚橋は気持ちこそ強いが、それに体がついていかない。
4R。ショートレンジ打撃戦。上谷が回転力の差で手数・ヒット数でリードを奪う。棚橋も右ストレートを次々と浴びせて激しく抵抗するが、やがて上谷は連打をクリーンヒットさせて大いに効かせ、そこを更に追い討ちする怒涛の攻めでTKOまで持っていった。
上谷は試合序盤にまたもアマ時代の実績にそぐわぬ苦戦を強いられたが、その後は荒々しい攻防でも数的に大差優勢を築いてみせるなど、漸くプロの水に慣れて来た様子を見せた。最後のKOシーンはパンチ力の強さを活かした良いまとめ方だった。未だに守備難は目立つが、これなら6回戦に上がっても対応出来るだろう。
棚橋は気合十分、1Rには「すわ、金星か」とも思わせる気配も漂わせたが、攻めに無駄がやや多く、打ち合いで劣勢に陥ってしまった。これで再び負けが先行の星勘定となったが、それでも4回戦では中位から上位クラスの地力はありそうだ。