駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Sバンタム級契約ウェイト(54.5kg)6回戦/○川口裕[Gツダ](判定2−1)佐々木佳浩[金沢]●

両者戦績は川口5勝(2KO)2敗、佐々木4勝(2KO)1敗2分。川口は昨年9月、今年4月のB級緒戦と連勝中。これに勝てば一気にA級昇格となる。佐々木は昨年12月に05年度バンタム級西軍代表の中村公彦[大星森垣]と引き分けて以来半年振りのリング。
1R。川口が前、前へと詰めるところ、佐々木はスピードを活かしたヒット&アウェイで主導権と手数優勢を確保。川口は距離を詰めてもクリンチに凌がれてなかなか自分の攻めが出来なかったが、ラウンド終盤に右で有効打を決めて一応のハイライトシーンを作る。
2R。川口はこのラウンドも圧力をかけつつボディ中心に手数を集めるが、今日はガードがやや拙く、佐々木の強引な左右フックを度々もらってしまう。ほぼ互角の形勢だが“アグレッシブ”と“リング・ジェネラルシップ”の要素ではやや川口優位か。
3R。クリンチ多く膠着気味の内容。川口はボディ中心に強打狙いも、メリハリに欠ける感。佐々木は強引なインサイドワークを駆使して主導権を確保しつつ、打ち逃げの形で数的に小差優勢。ジャッジの見方が割れそうなラウンド。
4R。クリンチと打ち合いを繰り返す膠着戦。佐々木が先手を獲るシーンが目立ち、連打を浴びせて見せ場も作る。川口は強打で苦境の打開を目出すが、これは単発かつ乱雑で主導権奪回には至らず。
5R。このラウンドもこれまでと同様の展開だが、序盤から川口が先手で攻勢に出てやや押し気味に進めた感じ。佐々木はヤマ場を作れず、クリンチに頼るシーンが目立った。
6R。膠着戦が続く。川口が先手を獲るが、佐々木はクリンチで必死の抵抗。大きなヤマ場がないままラウンド終盤に突入。川口は攻勢点を稼ぎたかったが、バテバテの佐々木にすがり付かれて塩漬けにされた。
公式判定は宮崎58-56、原田58-57(以上、川口支持)、洲鎌58-56(佐々木支持)のスプリットで川口の勝利。駒木の採点は「A」58-56川口優勢「B」59-58佐々木優勢の“1人スプリット”。明確に奪ったラウンドの差で川口に勝利が流れ込んだが、佐々木の健闘も大いに光った。
川口が相手のスピードとクリンチワークに苦しめられたが、終始攻めの姿勢をアピールして際どくポイントを獲り切った格好。勝ったものの、今日は持ち味を出せず苦しい内容だった。
佐々木は試合序盤、スピードとインサイドワークを活かした試合運びで手数とヒット数を重ねたが、終盤には失速してポイントを取りこぼした。パンチの打ち方やスタミナ難など、6回戦で戦うには楽ではない懸念材料がまだまだ残されている。