駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第6試合・Sバンタム級4回戦/▲寄川航[進光](3R0分35秒負傷判定0−1森本勝者扱い)森本一春[江坂]△

両者戦績は寄川3勝(1KO)無敗1分、森本5勝(0KO)1敗1分。
1R。寄川が先手でラッシュ。ワン・ツー連打にボディアッパーを繰り出し、命中率こそ今一つだが手数では大差優勢。森本はラウンド中盤から挽回し、手数豊富に応戦。ガードも手堅く決定打を許さないが、序盤の劣勢をリカバーするには及ばず。
2R。このラウンドも寄川がラウンド序盤から強引な手数攻勢。森本を守勢に追い込んでリードを奪ったが、後半からは森本のストレート、アッパー、ボディブローが機能し始めてヒット数で圧倒。終わってみれば大差で逆転。
3R。寄川から仕掛ける形で打撃戦となるが、寄川の頭が森本の右目尻を切り裂いて、アクシデンタルな試合中止、負傷判定となった。
3Rまでの採点で争われた公式判定は松永29-28(森本支持)、原田29-29、坂本29-29のマジョリティ・ドロー。イーブンをつけた2審判の優勢点投票に松永副審の森本を支持する1票を加味した結果、森本が勝者扱いとなった。駒木の採点は「A」29-28森本優勢「B」29-29イーブン。
森本が寄川の猛攻に大層てこずったが、技術は一枚上。2Rにはヒット数で大差リードし、3R早々に試合中止となったが負けは有り得ない試合。
寄川はアグレッシブに攻めて大いに健闘したが、ガード下がる弱点が出て2Rを明確な差で落としてしまった。勝ちあがり過程でのパフォーマンスの差も著しい事もあり、イーブンの優勢点投票でジャッジに嫌われてしまうのも致し方なし。ただ、彼の下馬評を覆す奮闘は特筆しておきたい。