駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部「第29回尼崎スーパーファイトボクシング」(尼崎ジム主催)

夜の部は尼崎ジムの定期興行。例年ならこの夏興行は、若手・新人選手の育成興行的性格を帯びていたが、今回はSウェルター級ランカー・野中悠樹が出場する10回戦をメイン、そしてセミには1年ぶりの登場となる本田猛が元日本ランカーの楠浩明[Gツダ]と05年12月以来の再戦と、中堅〜ベテラン勢が出場するマニア向けカードがセッティングされた。その他、実力伯仲の6回戦2試合など、東南アジア人抜きの全8試合46Rという構成となった。なかなか重厚なマッチメイクだが、日曜17時30分開始の興行としては少々ボリュームオーバーかな、という印象も。当ブログでは度々述べている事だが、日曜で終了予定時刻が21時を大きく回ってしまうと、大阪市外在住の社会人にはかなりキツい。
今回に限った話ではなく、このような時間帯に打つ興行全般に対しての提案だが、こういう場合は先に6回戦からスタートして、メイン10回戦を終えた後に前座ならぬ“後座”で4回戦を行うというのも一手ではないか。観客側の集中力が保つ間にこそ長時間の試合を見せるべきだし、早い段階で“目玉”を消化してしまうのも、一見非効率なように見えて、「とりあえずはレベルの高い良い試合だけ観たい」という人たち――恐らくはボクシングファンの多数派――のニーズに応える事になるはずである。その際、退場客と入れ替わるように入場する羽目になるグリーンボーイたちには辛い役目を背負わせる事になるが、これも上昇志向とハングリー精神の涵養に繋がると考えれば、決してデメリットばかりというわけでもないだろう。ボクシング界の慣例を崩す提案ではあるが、如何なものだろうか。