駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第4試合・Sバンタム級契約ウェイト(54.5kg)4回戦/○美馬翔大[尼崎亀谷](判定3−0)堀川佑也[明石]●

両者とも戦績は未勝利1敗。美馬は昨年8月以来1年ぶり、堀川は2月以来半年ぶりの再起戦。
1R。クロスレンジ乱打戦。堀川は圧力をかけて手数、手数。しかし「当てる」以前の「打つ」段階で止まっているパンチ。美馬はハンドスピードがなかなか鋭く、ロープに詰められながらも手数を出して右カウンターをヒット。
2R。堀川が終始ロープに詰めて攻勢。手数を雨霰の如く浴びせるが、ややインパクト不足の嫌いも。美馬は時折鋭い連打で反撃して見せ場を作り、このラウンドも互角。
3R。このラウンドも堀川が圧力かけてボディ攻めだが、一本調子。美馬はボディに手数を返しつつ、隙を見てはジャブ、ワン・ツーで痛打を浴びせる。ラウンド中盤に有効打を連発してヤマ場作りに成功した。
4R。このラウンドも同様の展開ながら、美馬がボディで迎撃して鋭いヒットを連発。安易に後退してしまう癖が気になるが、ワン・ツーも決めてヤマ場作りに成功した。
公式判定は北村40-36、坂本40-37、松永39-37の3−0で美馬。駒木の採点は「A」39-37「B」40-38で美馬優勢。
美馬は1年ぶりの試合だったが、ハンドスピードと回転力豊かな選手に成長していた。受身に立たされてからの反転攻勢も力強い。後退しがちな面が気になったが、ブランクを考えれば上々の内容である。これなら五分以上の勝率で4勝出来そうだ。
堀川は所属ジムの先輩・児島芳生を髣髴とさせる突貫戦法だったが、手数を出すだけで精一杯で命中率が伴っていない。色々な意味でメリハリをつけて欲しい。ただし、このまま未勝利で終わる選手ではないだろう。