駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第5試合・ミニマム級6回戦/○諸一宇[尼崎](判定3−0)須田康博[八尾]●

両者戦績は諸が4勝(1KO)6敗3分、須田4勝(0KO)4敗1分。03年7月以来、4年1ヶ月ぶりの再戦。前回は須田が勝利しているが……。諸は現在4連敗中で、今年4月以来の試合。須田も今年4月に敗れ、引分を挟んで3年越しの2連敗中。
1R。諸がアグレッシブに先手。6回戦らしいキビキビした動きでコンビネーションを放ち、フック中心に当ててゆく。須田は距離を外されて後手に回らされた印象。手数でも及ばず。
2R。諸はこのラウンドも積極的に攻めて左のジャブ、フックをヒットさせて中盤まで主導権を掌握。須田は空回りを強いられつつも攻勢を仕掛け、終盤になって遂に右を2発有効打させて肉薄。
3R。中間距離での打撃戦。須田の手数と前進が機能し始め、ここに来て形勢は互角となる。要所で須田の攻勢が目立ったラウンドだが、諸の抵抗も頑強。
4R。諸はラウンド序盤、アグレッシブに猛攻を見せるが、次第に須田の攻勢が目立って来る。ボディ攻めと顔面への手数攻勢を巧く組み合わせて形勢逆転を窺う。
5R。ハッキリと須田の攻勢が目立ち始めた。ショートレンジまで距離を詰め、ワン・ツーにアッパーを交えた攻めで優勢。諸もフックとアッパーで強い抵抗を見せるが、後手に回って守勢。
6R。諸が最後の力を振り絞って攻勢に出た。須田はラウンド中盤に再び反撃に移るが、ここで諸がもう一踏ん張りして跳ね返す。試合終了直前に右有効打を追加してダメ押し。
公式判定は坂本、洲鎌、原田の三者いずれも58-57で諸を支持。駒木の採点は「A」57-57イーブン「B」58-57須田優勢。大接戦の判定勝負となったが、運動量豊富がゆえに後半失速がちな諸が今日は最終ラウンドに奮起して際どくポイントを奪った。これで諸は05年12月以来の勝利で連敗を4で止めると共に、03年のデビュー戦で敗れた相手にリベンジ成功。
諸が実に久々の勝利を飾った。以前より力強い攻勢が印象的である。中盤戦以降、スタミナ切れして失速したが、今回は最後の最後でもう一度奮起したのが勝ちに繋がった。技術より何より、このハートが最大の成長。
須田も自分のボクシングを全うして大いに戦ったが、最後は相手の気迫に反転攻勢を押し戻された形。