駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第6試合・Sバンタム級6回戦/●山口伸也[陽光アダチ](5R2分30秒負傷判定0−3)井戸本雅也[大阪帝拳]○

両者戦績は山口4勝(4KO)3敗、井戸本5勝(0KO)5敗1分。山口は12月に今年度西日本新人王戦準Vの森本一春[江坂]に1RKO勝ちを収めたが、彼自身の新人王戦は緒戦で、その森本を決勝で降す事になる村澤光[尼崎]に敗れている。井戸本は05年の西日本新人王戦準V選手。しかしその後は昨年5月、今年4月と敗れており、試合枯れ気味の中で低迷という二重苦に苛まれている。
1R。B級にしてはやや大味にも映る攻防戦。井戸本がアグレッシブに手数と圧力で攻めて山口を終始ロープに詰め、攻勢点と主導権争いで優位。山口は時折力強いストレートで反撃を試みるが実らず。
2R。終始強打合戦に費やされたラウンド。井戸本が左右の連打を次々と有効打、クリーンヒットさせて山口を圧倒。山口の抵抗は空転してなかなか的を捉え切れない。
3R。このラウンドも強打戦。井戸本が体ごと浴びせる感じでロープへ詰め、上下へヒット・有効打を散らして浴びせる。山口の強打は井戸本のダッキングやブロックに捌かれている。
4R。井戸本のガムシャラな攻勢が止まらない。右フック、ストレートを再三クリーンヒットさせて優勢。ドクターがチェックに入るが、その中断でも勢いは止まらず左フック、右ストレートで追加弾。山口のパンチは井戸本のパンチに相殺されて不発。
5R。スタミナに難ある井戸本は例によって失速するが、山口の動きも止まり消耗戦の様相。この戦況でも印象的なヒットを奪ったのは井戸本の方。左ボディ、そしてラウンド終盤にはロープへ詰めての連打。だが、ここでドクターのチェックが入り、井戸本が3Rに偶然のバッティングで負った傷が悪化して試合中止。2Rにもすぐ近くの場所からパンチで出血しており、試合終了時は山口サイドからの激しい抗議もあって会場が一時騒然となったが、オフィシャルが迅速に対応して政野リングアナから詳細な説明があり、事無きを得た。
5Rまでの採点で争われた公式判定は洲鎌49-46、宮崎49-47、北村49-47の3−0で井戸本。井戸本は05年7月の西日本新人王トーナメント準決勝戦以来2年1ヶ月ぶりの勝利となる。駒木の採点は「A」「B」いずれも50-45で井戸本優勢。
井戸本が実に久々の勝利を飾った。今日はよく前に出て連打を決めた。
山口はガードの拙さが6回戦では大いに響く。得意のストレートも今日は機能不全に陥った。