駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部第3試合・Sフライ級4回戦/○井上拓哉[新日本大阪](判定2−1)甲斐巧真[泉北]●

6/10に主審のレフェリングミスにより無効試合となった試合のダイレクト・リマッチ。よって両者の戦績は0勝0敗1無効試合
1R。ロングレンジからヒット&アウェイの形で強打合戦。まだ粗さ抜けぬが勢いは十分の攻め合い。今回もカウンター合戦の危険なシーン多いが、甲斐が僅かに打ち勝ったか?
2R。両者が放つストレート、ワン・ツー、フックの強打がことごとくカウンター合戦になり、危険なシーン続出。井上がスリップ気味にストレートを被弾してダウン(坂本主審はまずダウンを宣告してカウント8を数えて試合中断。3副審に意見を求めた上でダウン裁定を確定させた。8月に行われた審判研修会の成果が早速出た好判断)するも、その後は互いに一進一退。甲斐もダメージを負っている。
3R。井上はフェイント交えた変則的なリズムから精度高いパンチを繰り出してストレート、フックでヒット数優勢に立つ。甲斐の抵抗も激しいが、相撃ち以上に持っていけず、結果的に打ち負け。
4R。スピードとスタミナで勝る井上の優位。左カウンターで先制し、ラウンド終盤にはフック、アッパー交えた連打を小気味良く決めてダメ押し。甲斐はこのラウンドも後手に回った。
公式判定は宮崎39-37、松永38-37(以上、井上支持)、原田38-37(甲斐支持)のスプリットで井上。駒木の採点は「A」38-37甲斐優勢「B」38-38イーブン。2Rに井上にスリップ気味のフラッシュダウン1回。宮崎副審の採点は、その2Rを甲斐10-9としているわけで、これは「?」な採点。
主審のレフェリングミスによりノーコンテストとなった試合の再戦だが、今回も内容は荒れに荒れた。危険な打撃戦が展開される中、2Rに主審が副審に意見を伺う程に際どいフラッシュダウンがあり、しかも判定はスプリットな上にダウンした方が一部不可解な採点で勝つという波乱尽くめの試合に。ここまで来たら再々戦も見てみたいが……。
ともかくも試合は井上がスピードとスタミナの優位を活かして不運なダウンの2点分を挽回する逆転勝利。フェイントを交えた精度の高い攻めは好感が持てる。あとはもう少し落ち着いて試合をする事と、不用意にバランスを崩さないようにする事。
甲斐は1〜2Rのカウンター合戦で互角以上も、3Rから休む時間が長くなり、後手に回ってしまった。パンチ力や迫力ある攻めは見所があるが、今日は不可解な採点ながらも根負け気味の内容だった。