駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第12試合・ミドル級5回戦/●飯田将成[コパン星野](判定0−3)岩尾剛[泉北]○

中日本(4人参加)代表の飯田は4勝(4KO)無敗。全て1RKOのハードパンチャーだ。西日本代表の岩尾は6勝(2KO)無敗1分。こちらは堅実なテクニシャンタイプ。
1R。飯田は速いワン・ツー、左アッパーなどで強打者の片鱗を見せるが、岩尾の堅実なファイトに対応して、手堅い試合振り。ほぼ互角の展開ながら岩尾のジャブ、ストレートがヒット数で小差優勢か。
2R。このラウンドも慎重な両者は、互いにジャブ、ストレートを放ち、ガードしながらアッパーへと繋げるチャンスを窺う。終了ゴング前、飯田が猛連打を放つが、岩尾はクリンチで逃れて逆に右ストレートをヒットさせた。
3R。飯田が強振に加えて狙い撃ちのワン・ツー、アッパーも放つが、岩尾はガッチリとブロック。返す刀でジャブ、ストレートを手堅く当ててゆく。飯田のガード上への強振手数と、岩尾の堅実なヒット、ジャッジの判断は分かれそう。
4R。このラウンドも同様の展開。互いに渋太く手数を出しつつチャンスを窺う。ラウンド後半、岩尾がワン・ツーでクリーンヒット3連発。唯一最大の見せ場を作って優勢。
5R。このラウンドも互いのガードを重いパンチで叩き合う重厚な打撃戦。ほぼ互角の攻防の中、岩尾はラウンド中盤にワン・ツー・スリー、更に最終盤に右ストレートをクリーンヒット。完璧なノックダウンで勝負を決定付けた。
公式判定は坂本49-45、石川49-46、登本48-46の3−0で岩尾。駒木の採点は「A」50-44「B」50-46で岩尾優勢。飯田は最終5Rにダウン1回。
ガード上を叩き合う重厚な打撃戦。優劣微妙なラウンドが続いたが、4、5Rと要所で見せ場とダウンシーンを作って3ポイントのアドバンテージ。これが勝負の決め手になった。
飯田は豪快な戦歴に似合わず意外なテクニシャン振りを披露。KO狙いを早々に捨てて冷静な試合の組み立てをしたが、相手の堅守を最後まで突き崩せず、逆に倒されて万事休す。