駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・Sバンタム級10回戦/○山口賢一[大阪帝拳](3R1分01秒TKO)小林克也[正拳]●

山口は12勝(3KO)1敗2分で現在日本バンタム級6位。02年にデビュー。緒戦をドローとした後3連勝して、翌03年度の新人王戦に参戦するが2回戦で敗退。再起までに1年3ヵ月のブランクを作ったが、その再起戦に引き分けた後は、06年6月には日本タイトル挑戦歴も豊富なベテラン熟山竜一[JM加古川・引退]を破るなど、ここまで8連勝中。熟山から奪った日本ランキングも漸進的に順位を上げて来た。前回10月の内山淳[倉敷守安]戦では点差以上の大苦戦を強いられたが、今回もノーランカー相手・ハイリスクのランキング防衛戦が続く。
小林は6勝(2KO)3敗。04年デビュー。同年に3連勝を飾り、05年の新人王戦に挑むが初戦敗退。再起戦でB級昇格、6回戦を2勝1敗でクリアしてA級まで出世するが、06年12月に初の8回戦で後に日本ランカーとなる川波武士[大鵬]に敗れて長期ブランクに突入していた。今回が1年2ヶ月ぶりの再起戦。
1R。山口は距離を開けて受けて立つ姿勢。小林の攻めを捌いた上で打ち終わりの隙に力強く猛反撃。ロープ、コーナーに詰めて攻勢をアピールする。小林は攻めが愚直過ぎる印象。
2R。山口がラウンド開始早々に右カウンターで1度目のノックダウン。早くもKO狙いの猛攻でコーナー、ロープに詰めて一気攻勢。小林も挫けず一度は山口を押し戻したが、終了ゴング前に右をテンプルに浴びて2度目のダウン。
3R。山口は一度頭を冷やして慎重な攻めの組み立てに徹するが、右をクリーンヒットさせると、ゴーサイン。一気に連打を浴びせて勝勢を築いたところで野田レフェリーが飛び込んで小林の身体を救った。
山口が貫禄の勝利。アグレッシブさだけでなく、攻守兼備のファイトも交えて一皮剥けた印象をファンの目に焼き付けた。前回の試合では圧力をかけられて苦しむ場面が目立ったが、今思えば今日のような一歩引いたスタンスでスマートなボクシングをしようとしていたのかも知れない。
小林は有り体に言って力負け。長期ブランク明けで挑む相手としては手強すぎた。