駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・Sライト級4回戦/●山本雄也[仲里ATSUMI](判定0−3)宇井敏晃[大阪帝拳]○

新人王予選の間に1つ挟まれたオープン戦。山本は1勝(1KO)無敗1分、宇井は未勝利4敗。山本は昨年末のデビュー戦で1R負傷ドローの後、今年3月に香川遠征で初勝利を挙げている。宇井は昨年11月に高知遠征で約2年ぶりの試合に出たが及ばず4連敗。
1R。山本は必要以上に頭を動かしつつ、大振り中心の攻め。ヒットは少ないが、手数と圧力でリードする。宇井はリードジャブ代わりに多用している右ストレートが全く使い物にならず、攻めの起点を作れない。守備は悪くないが……
2R。山本はスタミナ不安か、早くも動きが減る。宇井の拙攻は相変わらずで、結果的に戦果乏しい淡々とした流れとなってしまう。
3R。山本は完全に失速。宇井は左フックや右アッパーなどでヒット奪い、圧力かけて攻勢と主導権確保にも懸命。相変わらず右ストレートは論外と言うべき精度だが、それを除けばサマになっている。
4R。やや膠着気味。宇井が先手で手数出すが、山本も密着しつつラフに反撃。共に精度不足のパンチで決め手欠け、悪い意味で互角の内容。率直に言って両者テクニック不足。
公式判定は宮崎39-37、坂本39-38、原田39-38の3−0で宇井がデビュー5戦目で初勝利。駒木の採点は「A」38-38「B」39-39で共にイーブン。
宇井が小差判定ながら初勝利。典型的な右利き丸出しの“リード右ストレート”が諸悪の根源で、これを使わないだけで戦績がグングン上がりそう。左ジャブの使い方を平行して覚えつつ、いきなりの右ストレートを打たないと制約をつけたスパーを重ねる事が大切だ。
山本は1Rでスタミナ切れし、強引でラフ過ぎる攻めがジャッジに嫌気されたか。まずはボクシングの“型”を整えるところから始めたい。