駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・フライ級契約ウェイト(50.0kg)8回戦/●北村祥師郎[クラトキ](3R2分44秒KO)中山智善[黒潮]○

北村は6勝(1KO)14敗5分。プロ13年目の30歳。95年デビュー。キャリア序盤から遠征でウルフ時光[倉敷守安]や飯田大介[三津山]など後の強豪選手と対戦する苦しいマッチメイクを課されている。97年・98年には西日本新人王戦にエントリーするが、初挑戦時は準決勝で小熊坂諭[陽光アダチ(当時)]に敗れ、98年は西日本決勝でドロー敗者扱いに泣いた。1年2ヶ月後の再起戦にも敗れ、更に1年4ヵ月後の01年に丸3年ぶりの勝利を飾る。しかし6回戦では1つの引分を挟んで4連敗、05年の和歌山興行でタイ人相手にB級初勝利を挙げたが、そこからまた4連敗と苦境が続く。07年に2年ぶりの勝ちでプロ12年目にしてA級昇格。11月には今回の相手・中山と初の8回戦に臨んだが、判定負け。中山には6回戦時代の04年にも敗れており、今回が3度目の挑戦となる。
中山は9勝(1KO)11敗1分。98年デビュー、新人王戦には参加せず、請われては大阪に遠征するという形で平均すれば2〜3試合のハイペースで試合を積み重ねている。4回戦は6戦4勝2敗でクリアし00年にB級へ。昇格後も後のA級選手に連敗するも、その後は星勘定を整えて5戦2勝2敗1分で02年にA級昇格を果たす。しかし8回戦では緒戦を負傷判定で制したものの、それ以来は今回の対戦相手・北村から挙げた2勝を除けば7連敗という長期不振に陥っている。今回は3月に敗れてからの再起戦でもあり、合口の良い相手に勝って勢いをつけたいところだろう。
1R。断続的なクロスレンジ乱打戦。8回戦としては精度・威力とも物足りない打ち合いに終始。決め手欠ける中、北村が先手で攻めて僅かにポイント争いでリードか?
2R。頭から突っ込んでは連打する北村に対し、大振りのフックやアッパーで反撃するは中山。早くもダルファイトの傾向が。採点上も積極的に評価出来るポイントが見当たらない。
3R。このラウンドも北村は前へ出るが、中山の左フックが当たって、これが先制打。その後も時折相撃ち気味にヒットを交換する展開。しかしラウンド終盤、中山がロープ際で左右フックを連発ヒット、更に北村が反撃しようとした所で綺麗なカウンターが入ってノックダウン。北村は何とか立ったが、足元がフラフラしており、原田主審は躊躇無く10カウント数えてクラトキジムの後輩の身を救った。
率直に言って、2人の低迷もさもありなんと思わせる、8回戦としては低調な内容の一戦。中山は相手の圧力に押され気味だったが、3Rのワンチャンスを逃さず一気に勝負を決めた。これで同一カード3連勝とはいえ、大振り中心の攻めはいかにも不器用そうで、今後もA級では苦戦が続きそう。北村はもう一度6回戦から仕切り直した方が良いような気もする。