駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第9試合・女子フライ級4回戦/●真道ゴー[クラトキ](判定0−3)秋田屋まさえ[ワイルドビート]○

試合前に「関西初めての女子公式戦」とアナウンスがあり、1R2分などの基本ルールも紹介された。なお筆者から女子ボクシングのルールを補足説明しておくと、女性特有の身体機能の安全を図る為に胸部と骨盤にプロテクターの装着が義務付けられている他、子宮・卵巣を守るためにローブローについては厳しく措置する事や、凄惨さを避けるために顔面の傷や出血は男子より早めにストップする事が、JBCの役員会で申し合わせ事項とされている。
出場する両者は勿論、共にデビュー戦。両者この試合が決まる前から交友があったそうだ。
1R。クロスレンジ乱打戦。両者“グリーンガール”らしいアグレッシブな攻め合い。回転力ある連打は威力面はともかく迫力は男子顔負け。互角の形勢から秋田屋が右ストレートを次々有効打してリードを奪った。
2R。真道は一旦距離を置いて、試合の流れを変えようとするが、秋田屋のボディワーク使った守備と鋭い右の方が一枚上。ラウンド後半からは再び乱打戦となり、ここでも秋田屋はヒット数でリード。体の使い方が巧い。
3R。乱打戦が続く。真道がアグレッシブに前へ出て攻勢点を稼ぐ。秋田屋も手堅く立ち回るが、このラウンドは後手に回った印象。
4R。このラウンドも両者アグレッシブな攻防戦。秋田屋ダッキングと右カウンターを駆使する攻守兼備の動きでヒット数を確実に重ねてポイントアウト。率直に言って技術が1ランク上。
公式判定は半田、松田、坂本の三者いずれも39-38で秋田屋を支持。駒木の採点は「A」「B」いずれも39-37で秋田屋優勢。
秋田屋が冷静なダッキングと右カウンターで着々と優位を築いてポイントアウト。1点差のスコアが3つ並んだが、地力差はもう少し開いていた印象。男子と比較しても、パワー面を除けば勝率五分の1〜2勝クラスと全く遜色の無い動きだった。
真道はアグレッシブな突貫ファイトで健闘したが、パンチを「打つ」と「当てる」の区別がまだついていない段階。地元に錦を飾りたかっただろうが、半数以上のラウンドで、有効打の質と量で見劣っては致し方なし。