駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・Sフェザー級契約ウェイト(58.0kg)4回戦/△桑原直紀[千里馬神戸](判定0−1)千賀拓己[姫路木下]△

両者戦績は桑原1勝(1KO)3敗、千賀3勝(2KO)4敗1分。桑原は3月の神戸興行で念願のプロ初勝利。千賀は現在のジムに移籍してこれが3戦目。移籍から続く連敗を早く止めたいところ。
1R。桑原は以前に比べてステップワークがスムーズになり、スピードが乗った分だけ試合運びに幅が出来た印象。しかし肝心のパンチが精度不足のままで、手数優勢と攻勢点のみのアピール。千賀はいつもにくらべて動きに切れが無く後手。相手の打ち終わりに懐へ飛び込みたいが、果たせぬままズルズルとポイントを失った。
2R。桑原がステップワークで千賀の攻勢を捌きつつ、ワン・ツー中心にヒット、手数で先手。千賀は打ち合いでこそ互角以上だが、足を使っての主導権争いでは劣勢。
3R。千賀が漸く動きにキレが戻って来た。ミドル〜ショートレンジで右ストレート中心にヒットを集め、桑原の反撃も豊富な手数で相殺してゆく。ラウンド終盤、千賀が再度右ストレート起点にヒットを連発して優勢を磐石に。
4R。千賀はパーリングを多用し、攻防一体の動きを実現して戦況を一変させる。自分の距離であるショートレンジから右ストレート、フックでヒットの山を築いて大差優勢。桑原も手数多く、戦意は衰えなかったが……
公式判定は半田39-37(千賀支持)、野田38-38、原田38-38でマジョリティドロー。駒木の採点は「A」38-38イーブン「B」39-38千賀優勢。会場の千賀応援団からは採点結果に激しい野次も飛んだが、この試合は「不運」ではあっても「不当」ではない判定に思えた。
千賀は試合前半に動き鈍く、完全に後手。スピード負けした状態では距離も合わず、攻めても不発だらけに甘んじていた。だが3Rからはパーリング中心の守備に切り替えるや、一転して主導権を支配し、ヒット数で大差優勢をつけて形勢挽回に成功した。結果はドローだが、負けは無い内容。
桑原はステップワークに進歩があり、それに伴って試合運びが上手くなってきた。しかしパンチの乱雑さが相変わらずで、試合前半のチャンスを活かしきれなかった。