駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第4試合・Sフライ級契約ウェイト(51.5kg)4回戦/○帝里木下[千里馬神戸](判定3−0)本田衛[JM加古川]●

両者戦績は帝里1勝(0KO)無敗でサウスポー、本田1勝(1KO)無敗。両者いずれもアマ時代には全国級の実績を残した猛者。このマッチメイクは実に意欲的だ。両陣営とも勝算ありと見ての決断か。
1R。スピード上位の帝里がアグレッシブに手数出してリード。オープンブローや不発が目立ち、器用な攻めとは言えないがまずは先制。本田はサウスポー対策が不完全か、得意の左を打ち込む距離とタイミングが掴めずにいる。
2R。本田が前、前へと出るが、帝里はアグレッシブな迎撃でワン・ツーの雨アラレをぶつける。本田もフックをクリーンヒットさせて意地を見せるが、帝里はしばらくクリンチに逃げてダメージを抜き、再び優勢へ。攻守兼備の連打に加え、手を使って相手の位置取りを狂わせるなど、インサイドワークの巧さも光る。
3R。帝里のアグレッシブな手数攻め。本田の守備の穴を目ざとく突いて無数のヒットを集める。だが本田は全く効いた素振りも無く、多少は強がりにしてもパンチ力不足明らか。その本田は半身で密着すれば左が出せると気付くや、左ボディを浴びせて一矢報いる。
4R。帝里の手が止まらない。射程距離の幅広い速射砲が本田の迎撃を相殺して数的圧倒。本田も左フック中心に強打で詰め寄るが、このラウンドも無数の連打を浴びた顔面は鼻血で真っ赤に染められた。
公式判定は野田40-36、坂本39-37、川上39-38の3−0で帝里。駒木の採点は「A」「B」いずれも40-36で帝里優勢。
帝里は2戦目にして素質開花。攻防兼備の猛烈な手数攻勢と、手やボディワークを使ったインサイドワークは4回戦レベルを超えている。惜しむらくはパンチ力不足、そして打たれた時のリアクションも良くない。6回戦でも十分通用するが、A級に上がるまでに非力さを出来るだけ解消しておきたい。
本田はサウスポー対策不足か、手が全く出せず、デビュー戦の果敢な攻めっぷりがウソのよう。ラウンドごとに強打を決めて意地を見せたが、守備難も災いして被弾だらけのままポイントを失った形。