駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

フェザー級

前半戦結果&概括

  • 1回戦
    • ○中野利保[ウォズ](判定3−0/40-35.40-35.39-36)兵頭健一[大星森垣]●
    • ○高埜剛[尼崎亀谷](判定3−0/40-36.40-37.39-38)川脇成太[オール]●
    • ○川島潤也[金沢](判定3−0/40-36.40-37.39-37)林田直也[ハラダ]●
    • ○多谷友宏[大星](1R2分26秒KO)池田竜太[明石]●
    • ○高宮啓[SFマキ](判定3−0/40-36.40-36.40-36)畑英児[クラトキ]●
    • ○北田竜統[JM加古川](判定3−0/40-36.40-36.40-36)石角悠起[大阪帝拳]●
    • ○大堀晃司[井岡](3R1分09秒TKO)安田善郎[大鵬]●
    • ○王田尚史[千里馬神戸](獅子丸棄権のため不戦勝)獅子丸崇也[六島]●
  • 2回戦
    • ○中野利保[ウォズ](3R0分23秒TKO)高埜剛[尼崎亀谷]●
    • ○川島潤也[金沢](判定3−0/40-36.40-37.39-37)多谷友宏[大星]●
    • ○北田竜統[JM加古川](高宮棄権のため不戦勝)高宮啓[SFマキ]●
    • ○大堀晃司[井岡](判定2−1/40-37.39-37.38-39)王田尚史[千里馬神戸]●

◎前半戦概括
本命・高埜は懸念された守備難を突かれて2回戦で轟沈。この高埜を倒した中野も守りが危うい同型で、代役の座に収まるも確固たる優勝候補不在の激戦が続く。
対抗格の川島はインパクトこそ残せなかったが、技術優位を活かして手堅く順当な勝ち上がり。その他のブロックも比較的順当な推移で、北田が昨年来の好調を持続し、不戦勝も拾ってベスト4進出。残る有力候補の大堀は、2回戦で伏兵・王田の想定外の成長に苦しめられつつも、復調を果たして久々の連勝。昨年の汚名を濯いだ。

準決勝進出者&今期戦績

  • 中野利保[ウォズ] 3勝(2KO)1敗 サウスポー
    • 西日本1回戦 VS兵頭健一[大星森垣]○(判定3−0/40-35.40-35.39-36)
    • 西日本2回戦 VS高埜剛[尼崎亀谷]○(3R0分23秒TKO)
  • 川島潤也[金沢] 6勝(2KO)1敗 
    • 西日本1回戦 VS林田直也[ハラダ]○(判定3−0/40-36.40-37.39-37)
    • 西日本2回戦 VS多谷友宏[大星]○(判定3−0/40-36.40-37.39-37)
  • 北田竜統[JM加古川] 4勝(2KO)3敗 サウスポー
    • 西日本1回戦 VS石角悠起[大阪帝拳]○(判定3−0/40-36.40-36.40-36)
    • 西日本2回戦 VS高宮啓[SFマキ]○(高宮棄権のため不戦勝)
  • 大堀晃司[井岡] 4勝(3KO)1敗 
    • 西日本1回戦 VS安田善郎[大鵬]○(3R1分09秒TKO)
    • 西日本2回戦 VS王田尚史[千里馬神戸]○(判定2−1/40-37.39-37.38-39)

準決勝展望

◎中野利保×川島潤也
ハイリスク・ハイリターンを地で行くスラッガー・中野、これに対するはインサイドワークを駆使して的確にポイントを稼ぐテクニシャン・川島。全く異なるタイプの両者、相手の持ち味を殺し合うシビアな戦いになりそうだ。
川島は左のジャブ、フックで的確に手数・ヒット数を積み重ねつつ、相手の攻め気をいなすように立ち回り、主導権とポイントの確保を狙う。ここまでファイタータイプとの真向勝負で勝ち抜いて来た中野は、気持ちを入れ替えておかないと痛い目に遭わされるかも。
守備面に大きな穴があるだけに、延々と軽打を浴びまくるストレスの溜まる流れになる恐れも。しかし、川島もガードが甘くなりがちな悪癖があり、4R12分間の中には中野が一発逆転のビッグパンチを決めるチャンスが必ず出て来るはず。KOなら中野、判定なら川島、「ほぼ互角」の形勢の中、どのような結末を迎えるか。

◎北田竜統×大堀晃司
北田は1回戦で、サウスポー相手に戸惑った所を見せたが、徐々に順応していって試合後半は大差優勢に。攻守ともソツの無い選手で、近距離での打撃戦中心の戦法ながら、上下への打ち分けもこなす器用な面もある。
大堀は、精度とハンドスピードを兼ね備えた右ストレートと左フックという魅力的な武器を持っているのだが、全般的に相手の攻撃に対する反応が鈍いところがあり、被弾癖が抜け切らない。今後、相手強化が進むに従い、これは拭い難い懸念材料になって来る。
両者とも好戦的な所があり、試合序盤から足を止めての打ち合いが予想される。パンチの的確さで上回るのは大堀だが、北田は圧力かけつつ強引に迫ってゆきたい。どちらにも平等にチャンスがあり「ほぼ互角」の見立てだが、大堀は主導権を失うとズルズル惨敗した前科があるだけに、心配の度合いは大きい。