第７試合・バンタム級６回戦／○西澤辰彦[北陸イシマル]（判定３−０）高橋裕幸[陽光アダチ]●

両者戦績は西澤４勝(2KO)２敗、高橋４勝(2KO)６敗１分。西澤は３月の京都興行に続いての西日本遠征。高橋は６月にＢ級緒戦で敗れて、短期間で再起した。
１Ｒ。高橋がややラフな攻勢でつっかける。右ストレートをクリーンヒットさせてチャンスを掴むが、その後の追撃が粗い。西澤はクリンチを多用してどうにか凌ぐが手数が少ない。
２Ｒ。クロスレンジ戦。距離が詰まりすぎて膠着気味。高橋がガードの外側からストレート、フック中心の攻めを見せると、西澤はガードを割るようなショートアッパー、フック中心の猛反撃。ほぼ互角も西澤の動きが尻上がりに良くなっている。
３Ｒ。ミドル〜クロスレンジで距離を変えつつ打撃・乱打戦。共に動きがラフで、高橋は大振りが特に目立つ。西澤はカウンター気味にショートを重ねて僅かに優位か。
４Ｒ。同様の展開。高橋が密着を避けて左トリプル→右のコンビネーションで先制、しかし西澤もしつこく攻めて食い下がり、ラウンド終盤にはショートボディアッパーで効かせて形勢挽回。高橋は空振りが目立ち始めた。
５Ｒ。高橋は右ストレート、左フックのダブルなどを見せるが、クリンチに頼りがち。西澤はクロスンレンジで手数を返すが、攻めあぐみ気味。高橋は圧力かけつつボディ打ちで渋太く攻勢をアピール。
６Ｒ。高橋は体力切れ明らかで、苦し紛れのクリンチが目立つ。西澤は先制するも抱きつかれて攻めるに攻められないが、手数は出し続けて正当な攻撃でポイント確保狙う。
公式判定は野田59-56、宮崎58-56、半田58-57の３−０で西澤。駒木の採点は「Ａ」57-57イーブン「Ｂ」59-58西澤優勢。
西澤は相手の強引なクリンチに苦しみつつも、コンパクトなショートフック、アッパーで要所を押さえて際どい判定勝ち。最終ラウンドも残存体力の差で攻め切って貴重な１ポイントリードを追加した。
高橋はスタミナ不足のためかクリンチに頼り過ぎ。パンチも肝心な所で乱雑になるなど、せっかくのスピードと回転力が才能の無駄遣い。特に体力不足が気掛かりで、目下の所６回戦でのクラスの壁にぶち当たり中。