駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第8試合・Sバンタム級契約ウェイト(55.0kg)6回戦/●松本一男[森岡](5R2分09秒TKO)松井博史[奈良]○

両者戦績は松本5勝(2KO)1敗でサウスポー、松井も5勝(2KO)1敗。松本は今年3月に、松井は4月にそれぞれB級初勝利を挙げている。
1R。松本はロングレンジから牽制しつつ、機を見て飛び込んでゆくトリッキーなスタイル健在。ボディや軌道がヒット直前で変わる変則フックでリード。松井はカウンター狙いでフックを捻じ込むが、決め手無し。
2R。距離を開けようとする松本、松井はジャブ中心に牽制して手数を稼ぐ。ラウンド後半から松本が左フック、ストレートのタイミングが合い始め、有効打の量産体制に。
3R。このラウンドも松本が左で先制。その後はロングレンジでディフェンシブな展開が続くが、松本が右フック→左ストレート、松井は左カウンターで戦果を挙げる。
4R。松本の主導権支配が動かない。距離をキープしつつ、自分のタイミングで右フック、左ストレートを放つ。守ってもステップワークとボディワークがよく機能して松井の反撃を許さない。
5R。序盤は松本の主導権は揺るがないが、ヒット数の少ない平坦な展開。しかし松本は体力切れか、マウスピースを吐き出して急失速。右ボディ2発で悶絶し、クリンチにも逃れられずラッシュを浴びてレフェリーストップ。
松井が終始劣勢の流れから右ボディで大逆転。ワンチャンスを見事に活かしてA級昇格。勝利への執念と言う意味では天晴れという内容だが、B級2試合はいずれも苦戦しており、8回戦ではクラス慣れが必要かも。
松本は勝ち試合を不可解と言えるほどの急失速で落としてしまった。一瞬にして勝勢が大敗に繋がるボクシングの怖さを味わわされたことだろう。