駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

興行の概要および雑感

飛石連休の合間となった月曜夜、西日本ボクシング界ではこの秋一番のビッグマッチが府立第一で開催された。最近では世界戦クラスでしか使われない大バコの会場に相応しく、西日本地区を代表する世界ランカーがメイン・セミを務め、セミ前には日本タイトルの王座決定戦まで挟み込まれる豪華仕様。CS放送ながらTV生中継も入り、関係者サイドの力の入りようが観客席にまで伝わって来る。
メインは東洋と日本を制覇し、いよいよ世界挑戦を決意した石田順裕[金沢]が、WBA中米&南米(2階級)タイトル獲得経験のある強豪を相手にWBAタイトルの挑戦者決定戦に臨む。世界7位と8位の対戦にも関わらず、粘り強い交渉でWBAから挑戦権をもぎ取った恩師・金沢会長に応えるためにも、石田にとっては絶対に落とせない一戦になる。
セミでは3度目の世界戴冠を狙う高山勝成[真正]が、日本でも御馴染みの元WBAミニマム級王者ファン・ランダエタを迎え討つ一戦……となるところが、何とランダエタ側が来日用の飛行機に乗らずドタキャンの大トラブル。プロモーターとマッチメイカーが八方手を尽くして代役をブッキングしたものの、格落ちの感は否めない。こちらは採点に頼らない完勝がノルマとなるだろう。
そしてセミ前には、メイン出場の石田が返上した日本Sウェルター級タイトルを賭けて行われる王座決定戦。それぞれ2度目の地域・国内タイトル挑戦となる、ランキング1位の古川明裕[ワールド日立]と2位の野中悠樹[尼崎]の対戦だ。準地元でのタイトルマッチが実現した野中は、10年以上にも及ぶ競技人生で最大のチャンスを是非ともモノにしたいところだ。
この他、4回戦2試合を含めて、全5試合・計40Rのラインナップ。平日の夜に行われるビッグマッチ興行としては適正なラウンド数と言えるだろう。なお、この日は日本タイトルマッチのジャッジ要員として、東日本地区から福地レフェリーが出張している。


※駒木の手元の採点は「A」(10-9マスト)「B」(微差のRは10-10を積極的に採用)を併記します。「B」採点はラウンドマスト法の誤差を測るための試験的なものですので参考記録程度の認識でお願いします。公式ジャッジの基準は「A」と「B」の中間程度だとお考え下さい。