駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

興行全体の総括

A級4試合に出場した井岡勢は4戦全勝。相性的に戦いやすい相手とのマッチメイクだったとはいえ、いわゆる“ガチンコ勝負”で全勝は快挙と言えるだろう。ただ、試合内容的には今回もメインを差し置いてセミセミ前の2人が好内容。特に橋詰は難敵をKOで片付けて、日本ランカーたるに相応しい実力をアピールした。試合後のインタビューでも自覚していると思われるが、そろそろ宮崎の尻には火が点く寸前まで迫って来ている。
あと今回気になったのは、第1試合と第3試合で主審を担当した松田レフェリーである。同氏については、筆者からも春のレフェリーデビュー以来度々TKOの際のストップの遅さを指摘して来たが、今回は全く逆で、ストップのタイミングが早過ぎだ。選手のダメージ関係なくロープに詰まって数秒守勢に回っただけで止めており、これは拙速と言わざるを得ない。以前の遅すぎるストップからの反省なのかも知れないが、「遅過ぎるストップ」の反対は「遅過ぎないストップ」であって、「早過ぎるストップ」ではないのは火を見るより明らかなのだが……。要は「適正なストップ」の絶対基準が頭の中で全く固まっていないのだろう。3月のデビュー以来、1ヶ月に1度程度しか業務に就いていないようでもあるし、あらゆる意味での経験不足が影響しているのだと思われる。同氏に限らず、現在のJBC西日本はA級担当レフェリーとB・C級担当レフェリーの技量差が著しく、しかも新人レフェリーの定着率がすごぶる悪い現状にある。現状打破へ向けて、JBC事務局の早急な取り組みが望まれる。