駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

フライ級展望

フライ級は8人参加。昨年より4人減だが、これは一昨年と同じ人数。

出場選手及び08年以降の戦績

  • 樋口裕二郎[オール] 3勝(1KO)1敗1分 
    • 08/11/02 VS霜尾順也[塚原京都]○(1R終了TKO)
    • 08/07/20 VS加藤毅[ヨシヤマ]▲(判定0−1敗者扱い/38-38.38-38.38-39)=F級西日本準決勝
    • 08/03/20 VS横山集[明石]○(4R1分12秒負傷判定2−1/39-38.39-38.38-39)=F級西日本2回戦
  • 河本幸也[大鵬] 1勝(0KO)2敗1分 
  • 松浦卓也[六島] 3勝(0KO)2敗 
    • 08/10/25 VS沖田英志[正拳]●(判定0−3/38-39.38-39.38-39)
    • 08/04/18 VS前原隆治[ハラダ]●(2R2分45秒KO)=F級西日本1回戦
  • 藤田慶[千里馬神戸] 2勝(2KO)無敗1分 
    • 08/09/15 VS岡崎雄[姫路木下]○(3R0分47秒TKO)
    • 08/05/24 VS廣瀬文彦[アポロ]○(1R2分36秒KO)
  • 別所航平[堺F興和] 2勝(1KO)3敗 
    • 08/12/20 VS廣瀬文彦[アポロ]○(2R2分09秒TKO)
    • 08/08/03 VS内海秀樹[倉敷守安]○(3R1分28秒負傷判定2−0/30-27.30-28.29-29)
    • 08/03/16 VSスナイパー玉野[六島]●(3R1分46秒KO)
  • 近藤哲史[倉敷守安] 3勝(1KO)2敗 
    • 08/04/05 VS西村崇[ヨシヤマ]●(判定0−2/38-38.38-39.38-39)=LF級西日本1回戦
  • 森田厳希[ウォズ] 1勝(0KO)1敗1分 
    • 08/10/05 VS木村聡[塚原京都]○(判定3−0/40-36.40-37.39-38)
    • 08/08/03 VS沖田英志[正拳]●(判定0−3/38-39.38-39.37-40)
  • 林昭文[川田] 2勝(0KO)2敗 
    • 08/11/23 VS森分亮次[中外]●(判定0−3/38-39.38-39.37-39)
    • 08/08/03 VS脇重幸世司[江見]○(判定2−0/40-38.39-37.38-38)
    • 08/04/05 VS中村優一[正拳]●(1R1分56秒KO)=F級西日本1回戦

トーナメント展望

伝統のフライ級戦線には8名がエントリー。古くは渡辺二郎徳山昌守、近いところでは大西健市、久高寛之、奈須勇樹などの全日本覇者を輩出したこの階級だが、ここ数年は低迷気味。今年も全体的なレベルはやや小粒だが、伸び盛りの選手が多く成長力に期待したい。
現時点の本命は、昨年の新人王戦で後の西軍代表・加藤に接戦を演じた樋口。鋭いアッパーが見栄えする攻撃に、ガードとダッキング中心の確かな守備がバランス良くかみ合ったテクニシャンタイプの選手。ここ1年で戦い振りに幅も出ており今年の飛躍が楽しみだが、課題はパンチ力。明確なヤマ場を作ってポイントを取り切る試合展開を作りたい。
対抗格には反対側のブロックの森田を抜擢したい。戦績的にはパッとしないが、昨年10月の試合ではハンドスピード・回転・精度を兼ね備えた攻撃を披露して急成長をアピール。これでナックルの当て方が確実になれば更に大化けの予感も。キャリアの浅さを戦いながら埋めてゆきたい。
あとの6選手は地力的に一枚以上落ちる感。伏兵は右の使い方が上手い藤田だが、こちらも前回からの上積みがある事が条件。松浦は接近戦の苦手意識を払拭出来ていれば変わり身もあるか? 川本と別所はパンチ力不足の解消、近藤と林はディフェンスの強化を果たして1勝を目指したい。また別所と林の2人については、筆者はここ2試合未見であることを付記しておく。

前半戦各試合展望

◎樋口裕二郎×河本幸也(3/21尼崎1部)
ややパンチ力に欠ける両者の対戦。判定勝負になりそうな気配だが、攻撃力に差が無いとなれば樋口の技術が生きる展開になりそう。スピードとインサイドワークを駆使して主導権を掴み、自在のタイミングで連打・強打を決めて優位に立ちそうだ。河本は劣勢に立たされた所からどう対処してペースを自分の方に引き戻すか。頭を使うか、体を強引にぶつけるか、あらゆる手段を尽くしてチャンスを待ちたい。

◎松浦卓也×藤田慶(3/8IMP2部)
地力よりも相性・展開が勝敗に大きく左右しそうな一戦。藤田の理想的展開は、接近戦で右中心の攻撃を、松浦の下りがちなガードを咎める形で顔面に叩き込んで優勢確保……という流れ。これを松浦がどう阻止するか、出来るかがポイントとなる。松浦はここ2戦、相手に研究されて全く持ち味を活かせない内容で完敗続き。前回からの反省を踏まえた練習がどこまで出来ているかだが……

◎別所航平×近藤哲史(3/8IMP2部)
別所の近況を筆者が確認していないため、情勢判断は差し控える。その別所はデビュー以来の3連敗を昨年秋にストップし、12月には初のTKO勝利で連勝をマークした。堺市唯一のジムに所属する唯一のプロ選手で、スパーリングも試合出場もままならぬ中で腐らずよく頑張っている。この一年でどこまで地力アップしているか、この試合で見極めたい。近藤は昨年の新人王戦以来の試合出場。1年間ジムワークに専念した中で、こちらもどれだけ成長したかを見たい。

◎森田厳希×林昭文(3/21尼崎1部)
林の試合を見るのは昨年4月以来になるが、ここ2試合も8戦全敗の相手に辛勝、デビュー戦の相手に判定負けと近況は今一つの模様。致命的とも言うべき守備難がどこまで解消されているか。森田にとっては、昨年10月の試合振りが本物かどうかの試金石的な一戦となる。昨年10月の森田が、昨年4月の林と対戦したなら、森田の高速回転コンビネーションが林を襲い、早い段階でのKO決着となるだろうが、果たしてどうなるか。