駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

スーパーフライ級展望

スーパーフライ級は昨年と同じく7名参加。

出場選手及び08年以降の戦績

  • 藤原大貴[ウォズ] 1勝(1KO)1敗 
    • 08/12/13 VS川上廣章[八尾]○(2R2分26秒TKO)
    • 08/10/05 VS出口信介[塚原京都]●(判定0−3/37-38.37-39.37-40)
  • 川口勝太[オール] 3勝(1KO)1敗1分 
    • 08/11/09 VS内田悟[Gツダ]○(判定3−0/40-37.40-37.39-37)
    • 08/08/02 VSスナイパー玉野[六島]○(判定3−0/40-36.40-36.40-37)
    • 08/03/20 VS森川真一郎[高砂]▲(判定0−0敗者扱い/38-38.38-38.38-38)=SF級西日本1回戦
  • 吉原涼人[正拳]  1勝(0KO)1敗 
    • 08/10/25 VSグレート・アボ[六島]●(判定0−2/38-38.38-39.37-39)
    • 08/09/27 VS佐藤裕伍[西遠]○(判定3−0/39-37.39-38.39-38)
  • 松吉成祐[八尾] 4勝(2KO)5敗 スイッチ 
    • 08/05/11 VS森川真一郎[高砂]●(1R0分21秒TKO)=SF級西日本準決勝
    • 08/04/05 VS平山正剛[大星森垣]○(1R0分34秒TKO)=SF級西日本1回戦
  • 青木一平[六島]  2勝(2KO)無敗 
    • 08/12/23 VS内藤昭[大鵬]○(1R1分34秒KO)
    • 08/08/02 VS前多淳二[オール]○(1R1分19秒KO)
  • 横山集[明石] 2勝(1KO)3敗 
    • 08/11/14 VSイトウシュンペイ[ワイルドビート]○(2R2分34秒TKO)
    • 08/09/05 VS佐々木章人[緑]●(判定0−3/38-39.38-39.37-40)
    • 08/03/20 VS樋口裕二郎[金沢(当時)]●(判定1−2/39-38.38-39.38-39)=F級西日本2回戦
  • 藤井雄也[大星森垣] 1勝(0KO)3敗 
    • 08/07/21 VS福永雅英[ヨシヤマ]○(判定3−0/40-37.39-37.39-38)
    • 08/03/30 VS中村大悟[中外]●(判定0−2/38-38.37-39.37-39)

トーナメント展望

近年、タレント揃いの階級と言われながらも全日本決勝にあと一歩届かないでいるこの階級だが、今年も上位陣はなかなかのハイレベル。今度こそはの思いで12月まで追いかけていきたい。
優勝候補は連続1RKOで一躍台頭した青木と、昨年の西軍代表・森川を最も苦しめた川口の2人。青木は威力十分の鋭い連打で、ここまで2試合を79秒、94秒と連続秒殺勝利。アマ時代の戦績は平凡ながら、まさにプロ向きのハードパンチャー。ただ、ここまで実戦経験が合わせて3分弱、更にはその短い時間の間に垣間見えるディフェンスの粗さという不安材料も。川口は手堅い攻守で安定感抜群。前回11月の試合も、例年なら準決勝レベルの内容で完勝と好調も持続している。
これに続くのが、優勝候補の両者と緒戦で対戦する藤原と横山。藤原はハンドスピードある攻撃が持ち味で、右アッパーが武器だがディフェンス面に不安。横山は最近連打が打てるようになって戦績以上の試合内容だ。しかしややムラがあるのと一発の威力に欠けるのがどうか。この2人は緒戦を突破すればV候補に取って代わる存在となるが、果たして?
吉原と藤井は攻守共にまだまだ未完成。松吉は05年以来5年連続のエントリーで、準決勝まで進出した経験もあるが、最近特に打たれ脆さが目立ち始めたのが大いに心配。

前半戦各試合展望

◎藤原大貴×川口勝太(3/21尼崎1部)
昨年は挑戦者の立場で優勝候補に挑んだ川口が、今年は受けて立つ立場で緒戦を迎える。藤原は右主体、特にアッパーを上手く使って要所を抑えるボクシング。ただ、受身に回りがちな所と拙守、特に自分の攻撃のモーションに入ってから打ち終わりまでガードが下りっぱなしになる悪い癖が目立つ。川口は守っても手堅いが、ここはジャブで先手を取り、早い段階から自分のペースを築いて一枚上の地力を存分に発揮したい。

◎吉原涼人×松吉成祐(4/5阿倍野
両者とも攻守に粗い所があって、試合の展開は予測し辛い。ガチャガチャした打ち合いが4R続く可能性もあるが、ここ3試合勝っても負けても秒殺の松吉が絡む試合なだけに、どんな結果になっても驚けない。地力も大差なく、予想困難なカードだ。

◎青木一平×横山集(3/8IMP2部→7/12IMPで藤井雄也と対戦)
青木の剛腕が炸裂するかどうかが最大の注目点となる試合。横山は強烈な第一波を凌ぎ、連打攻勢で反撃したいが、その機会が与えられるかどうか。横山は単発強打にこだわってしまう悪癖を出さず、体と拳の圧力で青木の動きを封殺したい。ただ、パンチ力に大きな差があり、総合力はやはり青木が優位。未知数のスタミナや耐久力に致命的な欠陥が無ければ、判定勝負でもダメージブローで要所を抑えて互角以上の試合をメイクすることだろう。
先の話になるが、準決勝で対戦する藤井は、ここに入ると地力不足が否めない。準決勝シードの有利さを活かし、対戦相手の出方に特化した戦術でどこまでやれるか。