駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1部・「ドラマチックボクシング・第35回CHANPION'S ROAD」(大鵬ジム主催・大阪帝拳プロモート)

第1部は、IMPホールの昼の部が定位置となっている大鵬ジムの主催興行。今回は全7試合の予定だったが、セミ前に再起戦が組まれていた健文KIDトーレスの試合が、トーレスの肝炎発症を理由に急遽キャンセルとなってしまった。トーレスは昨年に続いての出場キャンセルで、この事態を重く見た大鵬健文会長は、後日彼に引導を渡す形で引退の意向をJBCに伝えたとの事。先日、悲しくも豪華な引退式で選手人生に幕を閉じた三谷将之と日本タイトルを争った選手がこの最後とは、まさに好対照と言わねばならないだろう。健文の動向については色々と聞いてはいたが、昨年には試合会場で後援者と談笑する姿も見られ、復帰まで秒読みと思われていただけに残念である。人生の中でボクシングに投じた有形無形のモノの差と言えばそれまでだが、彼の手入場テーマ「セパレイト・ウェイズ」そのままになってしまうとは……
閑話休題。メインは漸く復調なって、日本ランキングにも再登載された川波武士[大鵬]が、ノーランカーながら敵地遠征で実績を重ねて来た日高慎一[尼崎]の挑戦を受ける試合。遠回りと足踏みした分を取り戻すためには、落とせないどころか勝ち方すら問われる一戦となるだろう。一方の日高にとっても、近況芳しくないだけに今後の進退をも問われる大事な試合になる。名目上のランクより大事なものを求め合うメインカードだ。そしてセミには協栄ジムから大鵬ジム移籍して緒戦を迎える加治木了太が登場。尼崎出身で、過去にも大鵬興行に出場したこともある彼にとっては“凱旋”と言うべき試合である。相手は戦績こそ振るわないが、日本ランカーとも五分の勝負の出来る曲者・岩下幸右[Gツダ]。緊張感の高まる試合だ。
その他、前座には新人王予選2試合と実力拮抗の8回戦が2試合、相変わらずの隙のないマッチメイクはまさに“大鵬クオリティ”といったところか。