駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

ライト級展望 渡部“伊予守”雅之[西日本協会預]×鈴木悠平[真正]

鈴木の勢いが止まらない。今期は1回戦の第1Rで立ち上がりに失敗して出遅れたが、その後は吹っ切れたような攻勢でKO勝ち。続く2回戦も有力候補相手に3回ノックダウンという圧倒的な試合内容で圧勝した。左フック、右ストレートの破壊的な威力とパワー溢れる攻勢を止められるグリーンボーイは西軍に居るのか、と思わせるほど。
渡部はスピード感のあるアウトボクシングを得意とする。“新人”の括りで言えば長い3年のキャリアで身についた試合勘の良さも窺わせ、既に7勝の戦績に相応しい渋いファイトが光っている。ただ、オープンブローが目立ちがちな所、ガードの甘さが時折顔を覗かせるところなどがあり、やや大味というか決め手に欠ける所も目に付き始めている。
試合は、やはりここまで来る敵来る敵を薙ぎ倒して進軍する鈴木が優勢の見立てとなる。渡部は懸命にスピードで凌ぎながら手数でポイントを稼ぎたい。鈴木の数少ない弱点である、バックステップ時にガードが上がる所を突ければ面白いが、かなりリスキーな賭けとなるだろう。