駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第5試合・契約58.0kg(Sフェザー級)/△林田直也(判定0−1)株丹千秋△

この試合も両者デビュー戦。ただし、青コーナーの株丹はアマチュア経験があるとの事。

1R。両者中間距離でフットワークを使いながらワン・ツーで牽制しあう攻防からスタート。しかし、いかにもデビュー戦というか、両者とも見様見真似っぽい感じが漂うのが妙に微笑ましい。時間が進むうちに、ワン・ツーで積極的に攻勢に出た株丹のペースになっていった。林田はロープを背負ってサイドステップを使うばかり。
2R。林田はガードが低く、下手なダッキングに頼りすぎな印象で、株丹のパンチをたびたび被弾する。ラウンド半ばからは林田が誘導する形で接近戦に持ち込み、手数勝負に出るも林田のパンチはメクラ撃ち気味で命中率が低い。アマ経験の分だけ技術的な面では株丹に分がありそう。
3R。株丹はスタミナ切れか、動き・手数共に鈍って来た。そこで再び接近しての泥仕合に持ち込んだ林田がアグレッシブに攻めるも、やはり決定打には欠ける動きでジャッジ的には際どい。
4R。株丹は自分の得意距離を意識した試合運びで主導権を握る。このラウンドでは接近戦になっても林田ペースにはならなかった。ただ、株丹に決定打は無く、林田も相変わらず手数ではほぼ互角ではあった。

公式ジャッジは39-37(株丹優勢)、38-38、38-38でドロー。
駒木の採点では39-37株丹優勢。林田に10-9をつけるラウンドが2つあったのかと考えると「?」がつくのだが、手数を伴う積極性が支持されたのか。
デビュー戦で引き分けた両者は、共に戦績が1引き分けとなった。林田はとにかく基礎事項の反復練習と試合慣れをする事が最優先事項。株丹は未だプロのボクシングに対応し切れていない感じ。接近戦に持ち込まれた場合の対処と、3分4ラウンドをバテる事無く戦い抜くだけのスタミナ強化が望まれる。