駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・フェザー級4回戦/●田中俊介(判定0−3)新居健太○

田中は今回が初見。パンフレットによるとサウスポーとのこと。戦績は1勝5敗と、4回戦ボーイにしては随分と負けが込んでいる。
一方の新居はここまで3勝2敗1分の戦績。彼の試合は昨年5月に観ているが、その時はスーパーフライ級の選手だった。デビュー時はなんとライトフライ級だったというから、実に5階級の増量である。もっとも、公称180cmの身長から考えると、これくらいが適性ウェイトであるような気もするが。
1R。ロングレンジの攻防からスタート。田中はアグレッシブにワン・ツーを放っていくが、“攻める”と“当てる”が一致していない感じで、動きに余裕が無い。ガードも低いし、いかにも戦績なりの実力という感じ。一方の新居は、そんな田中を相手に何故か極度に消極的で、1分半まで殆ど手を出さず。その後は低いガードを突いてヒットも奪っていたが、手数では見劣った。
2R。序盤から新居は、対サウスポーの定石・右ストレートからの攻めで狙い撃ち。しかし田中のガムシャラなワン・ツーと突進にペースを乱され、不用意にパンチを浴びる場面も。ただ、終盤には技術の差で再びペースを掴み、有効打を奪っていった。
3R。田中はバテが来てアゴが上がって来た。手数こそ減らないがクリンチも多くなり、動きが更に精彩を欠くものとなった。当然、新居はその隙を見逃さず、甘いガードの間を突いてクリーンヒットを決め、更に接近戦でボディを攻めて体力を削っていく。
4R。敗勢濃い田中だが、気持ちだけは折れずにアグレッシブさを維持。頭から突っ込んで行ってはワン・ツーを放つ。そんな盲進に気圧されたか、新居はなかなか踏み込めずセコンドから怒鳴られるシーンも。それでも後半からは田中の攻めを捌いてショートパンチを合わせていく場面が見られた。
公式判定は40-36、40-36、39-37の3−0で新居。駒木の採点は39-37で新居。
勝った新居はこれで4勝目となり、B級昇格。ただ、今日の戦い振りはいかにも消極的で、ここまで相手に恵まれなかったら危なかっただろう。昨年観戦した時は果敢に打ち合いに応じていたのだが、まるで別人のようなファイトだった。一方、6敗目を喫した田中だが、基礎体力・技術共に4回戦ボーイの平均値から大きく見劣っているような印象。お節介な話だが、ジム関係者に引退勧告の勧告をしたくなってしまった。