第５試合・Ｌフライ級契約ウェイト（48.5kg）６回戦／○森栄良平（判定２−１）山本秀人●

森栄は、惜しくも敗れた西日本新人王決定戦以来の復帰戦で、ここまで５勝(2KO)２敗１分の戦績。一方の山本は、５勝(3KO)６敗１分と負け越しているが、昨年は元日本ミニマム級王者・江口九州男の復帰を挫くＴＫＯ勝利を収めたという、異色の経歴を持つ。
１Ｒ。両者ミドルレンジから、大きめのパンチを中心に打ち合う大味な展開。相手の隙を見て、それぞれ５、６発のヒットを奪い合うが、特に印象的なシーンは作れずに全く互角の展開。
２Ｒ。序盤から中盤にかけて、山本が手数で勝りジェネラルシップを握るも、両者似たようなファイトスタイルだけに差が目立ち難い。終盤には森栄がワン・ツーをヒットさせてから攻勢に出てヤマを作った。
３Ｒ。このラウンドも前半は山本がアグレッシブ。コーナー、ロープに詰めて攻勢をアピールするが、今一つ正確性に欠ける感。なかなか決定的な場面を作れない。終盤には、またしても森栄がワン・ツーを中心にヒットを重ねてジャッジにアピール。
４Ｒ。山本は距離感が今一つなのか、攻撃の焦点が定まっていない様子。逆に森栄は、ミドルレンジ付近に自分の距離を見出して右ストレート中心にヒットを重ねる。
５Ｒ。森栄が引き続き距離を掌握し、やや優勢の試合展開。山本は距離を詰めるも攻めあぐねた格好で、逆に離れ際に狙い撃ちを喰らうシーンも。
６Ｒ。このラウンドは、３分間ほぼ接近戦で激しい攻防に。この距離では手数とアグレッシブさで勝る山本がやや優勢。一進一退の戦況が続いたが、最後に山本が連打で森栄を仰け反らせてポイントを奪い取った。
公式判定は58-56、58-56（森栄支持）、58-56（山本支持）のスプリットデジションとなって森栄の勝利。駒木の採点では、１Ｒがイーブンで59-56の森栄優勢。
全ラウンドを通じてジャブの少ない大味な展開だったが、要所要所でジャッジにアピールするポイントを作った森栄の粘り勝ち。山本は自分の距離で戦った時間が余りにも短かった。２人とも、いずれはＡ級に上がってくる選手だとは思うが、ランカー以上を目指すには地力の底上げが必要だろう。