駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第2部第2試合・Lフライ級4回戦/▲諸一宇(判定0−0・奥村勝者扱い)奥村和也△

奇しくも昨年12月13日に行われたカード(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20041213#p3)の再戦。新人王戦のカードは抽選で決まるので、こういう形でのラバーマッチは非常に珍しいと言えるだろう。
諸は3勝(1KO)2敗1分の戦績で、昨年の新人王戦は2回戦敗退。奥村はここまで3勝3敗1分で、昨年の新人王戦は1回戦で西日本トーナメントを制した堀川謙一に判定負けを喫している。
1R。圧力をかけてショート連打を狙う奥村だが、距離が開くと諸の右ストレートが次々とクリーンヒットして、こちらが優勢。しかし諸の真っ直ぐ後退する悪癖は全く改善されておらず、そこを奥村につけ込まれて手数と細かいヒット数で挽回を許してしまう。
2R。諸が右ストレート、ショートのアッパーを次々とクリーンヒット。奥村もしつこく絡んで手数を返し、ショートフックを当てて反撃。ほぼ互角の形勢だが、強打のインパクトでは諸に軍配か。
3R。奥村が体を浴びせて諸の愚直な後退を誘い、ボディーブローを連打する。諸も右アッパーで反撃するが、手数と主導権で劣勢。奥村は粘り強く小さなヒットを重ねてジャッジにアピールした。
4R。相変わらず執拗に体を密着させる奥村。精度はイマイチだが、手数がラウンドを通じて出ていた。諸は得意のアッパーで応戦するも、スタミナ切れか手数が少なかった。
公式判定は3者とも38-38のドローも、新人王戦用の優劣判断は3−0で奥村の優勢・勝者扱い。駒木の採点も38-38のドロー。甲乙付け難い接戦だった。
12月の試合では2−0判定勝ちだった諸だが、事実上のリベンジを喫して初戦敗退。即再戦の相手に、全く改善されていない弱点(真っ直ぐ退がる癖)を曝け出していては、この結果もむしろ必然だろう。そういう点では、奥村はある意味相手に恵まれた1回戦だったと言えるのではないか。実力というより作戦勝ちの範疇だった。