第１部第５試合・バンタム級６回戦／●金谷清邦（判定０−３）山口賢一○

金谷は北陸イシマルジムからの遠征で、戦績は５勝(3KO)８敗３分。メインに登場の吉山博司と、吉山が４回戦＆６回戦時代に１回ずつ対戦している（いずれも金谷の敗戦）。一方の山口は５勝(1KO)１敗２分。03年の新人王戦Ｓバンタム級準決勝で敗退後、１年以上のブランクを経て昨秋６回戦で復帰。Ｂ級昇格後は１勝１分で、今回はＡ級昇格を賭けての一戦となる。
１Ｒ。本来はフライ〜Ｓフライ級の金谷に対し、以前はＳバンタム級で戦っていた山口。見るからに体格差がクッキリ。その体格で大きく上回る山口が、圧力をかけていってロープに詰め、一方的に手数を稼ぐ。金谷はリーチ差に攻め手を阻まれ、このラウンドは専守防衛を強いられた感じ。
２Ｒ。中間距離での打ち合い。やはりリーチで勝る山口のペース。金谷は接近戦を挑んで行きたいが、近付きながらのショートをスカされて苦戦。山口は左のトリプルなど印象的なコンビネーションも見せたが、金谷のガードも固く、ヒット数はなかなか稼げず。
３Ｒ。山口はワン・ツーを連続して畳みかけて手数は物凄いが、金谷のガード堅く有効打をなかなか奪えず。金谷もホールド気味に強引に山口に食い下がり、アッパーを突き上げて見せ場は作った。手数の差で山口に分が有りそうではあるが、少差。
４Ｒ。金谷が接近戦に持ち込んでショートアッパーを連発。手数と細かいヒット数を稼いでいく。山口はこのラウンド主導権を失い、なかなか手数が出せなかった。１度だけ細かい連打を見せたが、やはり有効打は奪えず。
５Ｒ。前半から山口は自分の距離を守ってワン・ツー中心の攻めを見せ、手数を稼ぐ。金谷も左フックやショートパンチで抵抗し、僅差に持ち込んだがこのラウンドを奪うまでは至らず。
６Ｒ。山口がゴング直後からコーナーに詰めてラッシュをかけるも、体力を失って逆に反撃を食う。手数は多いが精度が低い。金谷は思うように試合を運べないが、ショートを突き上げ、フックをクリーンヒットさせた。
公式判定は３者とも59-55で山口の勝利。駒木の採点では58-56山口優勢。
体格差に物を言わせて手数を稼いだ山口、しかし２階級以上下の負け越し選手を相手に今日の戦い振りでは、８回戦になると苦戦は免れないだろう。パンチに的確に有効打を奪えるだけの精度が欲しい。金谷は敗れはしたものの、体格差に臆せず健闘したと言えるだろう。上の地位を目指すのは難しかろうが、納得の行くまで１日でも長く戦ってもらいたい。