駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第6試合・フェザー級4回戦/●白井康太[尼崎](2R1分44秒TKO)菊地永太[泉北]○

白井は1敗1分の戦績で、5/15に行われた2年ぶりの試合(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050522#p4)ではデビュー戦の相手を攻めあぐんで0−1ドロー。対する菊地は5/19のデビュー戦で勝利を収め、1戦1勝の戦績。
5月の時点から気になっていたが、白井はディフェンス面が良くない。アームガードが上に上がり過ぎでボディがガラ空きで、しかもそのガードが緩くて顔面にもパンチを浴びてしまう二重苦。パンチを打った後に頭を振る基本動作も出来ていない。オフェンスはハンドスピードこそソコソコあるも、フックがオープンブローで、上から奇妙な猫パンチを振り下ろす悪癖があって再三レフェリーから注意を受けていた。菊地はこれといった特徴は無いものの、ジャブを起点に相手の隙を突いて的確にパンチを打ち込む冷静な戦い振り。
試合は1Rから菊池が白井の守りの穴を突いて有効打を連発。コーナーに詰めて連打を打ち込む場面もあり、確かな優勢を築く。2Rは白井が強引に接近して強打を振るおうとしたが、決めのパンチがことごとくオープンブローで、レフェリーから厳重注意を受けると攻め手を失った。あとは菊地がガードの甘い白井を一方的に攻めて棒立ちにさせ、ワン・ツーをクリーンヒットさせると白井は大きくバランスを崩しダウン寸前。ここで無防備の白井を放っておいては危険と宮崎レフェリーが割って入ってTKOとなった。勝負の趨勢は見えていたし、このタイミングのストップは妥当だろう。
とにかく白井の悪い所ばかりが目立った試合。攻めに守りに課題を山のように曝け出して惨敗を喫した。実際に見た人なら判るだろうが、あんな猫パンチ、普段からどんな指導を受けていたら打てるようになるのか本人かトレーナーに一度訊いてみたいほどだ。KO休みの3ヶ月間でみっちり基礎から鍛え直して欲しい。一方の勝った菊地はこれで2連勝。地味ながら確実な戦い振りがかえって興味をそそられる選手だ。