駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第5試合・Sバンタム級6回戦/○杉田祐次郎[ヨネクラ](判定3−0)中岸風太[カシミ]●

中岸はアグレッシブにフックなど鋭く強打で攻め立てるが、気負いか大振りが目立つ。杉田はダッキングやウィービングなど鮮やかなボディワークで被弾数を最小限に食い止め、その上で中岸の隙を突いて的確な逆襲を見せる。1Rには右フックで有効打、2Rには10連打前後の猛烈なコンボで印象的な場面を見せてポイント面でも確実にリード。中盤は泥仕合気味になったが、ここでも杉田は要所で見せ場を作る攻撃で中岸を追い詰める。中岸も5Rには有効打を集めて意地を見せるが、6Rの壮絶な乱打戦ではまた劣勢を強いられて万事休す。
公式判定は59-56、59-56、59-57で杉田。駒木の採点は59-55で杉田優勢。
杉田が持ち味のボディワークと強打を活かして、各ラウンドで着実にポイントを奪った。泥仕合気味の中での見せ場の作り方が実に上手い。中岸は西軍代表戦で新味を見せたと思ったが、ここでまた中日本時代の粗いファイトに逆戻り。ハンドスピードを台無しにする大振り、TPOを考えない好戦的なファイトと、悪い所ばかりを曝け出してのワーストバウトになってしまった。反省点を理解・修正し、年明け以降の挽回に期待したい。