駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・Sフライ級4回戦/○橋口竣[正拳](判定2−0)スナイパー玉野[六島]●

橋口の戦績は未勝利3敗1分。過去の試合ぶりは11/22(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20051122#p2)、7/31(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050731#p2)、4/30(http://d.hatena.ne.jp/komagi/20050430#p4)の観戦記を参照のこと。1年で5試合とは熱心だが、これまではスタミナと攻守の甘さが災いして結果に結びついていない。
一方の玉野はこれがデビュー戦。六島ジムのウェブサイトによるとアマチュアで2戦の経験があるようだ。
1R。玉野はデビュー戦ゆえの気負いか、あからさまな大振りが目立ちガードも低い。これを橋口がワン・ツーで迎撃してゆくが、この橋口もガードが相変わらず甘く、逆に手数攻めに遭ってペースを失う。ほぼ互角のラウンドだが、玉野の手数・ヒット数が印象的。
2R。玉野は左フック、右アッパー、そしてワン・ツーと豊富な手数で攻める。橋口もワン・ツーから強打に繋げてヒットを奪うも、手数・ヒット数で完敗。橋口はガードが以前に比べると上がるようになったが、スキが大きく甘い。玉野はこのクラスにしては当てカンが良い。
3R。玉野はこのラウンド、リードジャブ中心の正攻法に切り替えるが、逆に隙を生んでしまい、つけ込まれる。橋口は距離を詰めてボディアッパーを中心に手数で勝る。玉野も橋口がまたガードを下げた所へワン・ツー中心にヒットを返したが……。
4R。再びアッパー、フックの強打中心の組み立てに戻した玉野、手数をガンガン飛ばして立て続けにヒットを奪う。橋口はバテ気味も、根性と気合を振り絞って必死の応戦。捨て身のワン・ツー・フックで有効打、クリーンヒットを奪って反撃に出る。ほぼ互角のラウンドで、ジャッジがどちらの戦い振りを好んだかどうか…といった感じ。
公式判定は39-37、39-37、38-38の2−0で橋口の初勝利となった。駒木の採点は39-37で玉野優勢とした。1、4ラウンドがどう判断されるかの勝負だったか、橋口に良い目が転がり込んだ格好。
さて、嬉しい初勝利をあげた橋口だが、徐々に力をつけて来たもののまだ随所に甘さの見える動きが気になった。もっと攻撃面、守備面ともに動きの的確さが欲しい。これに慢心することなく、精進を続けてもらいたい。そして今度は勝利の美酒をKOで味わってくれれば何よりだ。
敗れた玉野は、フック・アッパー中心の手数攻めに見所があり、素質だけなら4回戦中〜上位クラスだろうが、ガードが低くつまらない被弾が多かったためにジャッジの心証を損ねたようだ。守備に重点を置いた実戦練習を積んで、プロ初勝利に再チャレンジして欲しい。