駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第3試合・フェザー級8回戦/○光山健[金沢](判定3−0)チャイヨット・オープラモット[タイ国]●

光山は03年のB級デビューからここまで5勝(3KO)1敗の戦績。負け越し6回戦選手とフィリピン人相手に3連勝するも、日本ランカーの上原誠[ハラダ]に5RKO負け。その後はタイ人相手に2連勝を飾ってはいるが、そのタイ人は2人とも06年招聘禁止ボクサーに指名された札付きの噛ませ犬。相当に相手を選んだマッチメイクがなされているという印象を受ける。
そして今回のお相手・チャイヨットはタイ国バンタム級8位ながら3勝(1KO)7敗という公式発表。来日はこれが5回目で、過去4回は当然のようにKO負けか大差判定負けを喫している。典型的な噛ませ犬選手と考えて良さそう。
1R。光山は動きが大雑把で、チャイヨットに見切られ気味。逆に“噛ませモード”中のチャイヨットからアッパーなどつまらない被弾を許す。ただ、ジャッジ的には手数とボディへの軽い連打で僅かに光山か。
2R。チャイヨットは消極的ながら左カウンター2発に加えてフックも当てて、隠そうにも隠せない地力がの差が出てしまう。光山も手数を出すが大振りで精度が無い。
3R。光山の攻めは相変わらず精度の無い大振りで、まるで4回戦ボーイを見ているよう。チャイヨットはまたもカウンターにフックを軽く合わせていって少差優勢か。
4R。チャイヨットが手数を減らしたため膠着気味の展開に。光山は無抵抗のタイ人に右ストレートなどで有効打を再三奪っていくが、詰めが甘くて倒し切れない。
5R。ラウンド中盤までは光山の気負いばかりが目立ち、またもチャイヨットのカウンターが決まってしまう。終盤、光山がチャイヨットをコーナーに詰めてラッシュ気味に手数を浴びせてようやく互角以上。
6R。クリンチの多い膠着戦。光山がしつこくボディを浴びせ、フックもヒットさせるが有効打らしい当たりは無し。攻められながらもチャイヨットが主導している試合という感じ。
7R。チャイヨットは左カウンターで地力をアピールしながら、全体的には完全な“噛ませモード”。光山は上下に手数を振るうも、決定打が無い。
8R。判定負けを目指して(!)クリンチで時間稼ぎに出るチャイヨット、それを前に光山は単調な手数を浴びせるのみ。淡々と3分が流れて弛緩した雰囲気のまま試合は終了した。
公式判定は79-73、79-73、78-74の3−0で光山の勝利。10-9マストの大阪採点に、関東から観戦に来た同行者の皆さんが「これが噂の!」と爆苦笑。駒木も一応78-74で手数に勝る光山優勢としたが、試合の実勢はもう少し競っていたように思える。10-10アリの採点ならあと1〜2点は差が縮まっていたか。
光山はこれで3連勝だが、まぁ何ともコメントのし難い内容であった(苦笑)。タイ人が負けるのに一苦労するようなボクシングを客前で見せるとは、一体どういうつもりなのかと逆に問い質したいぐらいだ。この現状を猛省して、一刻も早く日本人ランカーに再挑戦できるような態勢を整えてもらいたい。