駒木ハヤトの西日本ボクシングレポートアーカイブ

かつて京阪神地区のボクシング会場に通い詰め、レポートを記した男ありけり。はてなダイアリーから記事をインポートしたものの、ブログ化して格段に読み難くなってしまいました。

第1試合・バンタム級4回戦/○唐木成治[明石](判定3−0)内田輝雄[JM加古川]●

唐木はこの日がデビュー戦、内田は2勝9敗2分という極端な戦績で、プロ歴約10年を誇るベテラン・グリーンボーイ。過去の対戦相手がまた特筆モノで、前OPBFライトフライ級王者・升田貴久(2RKO負)、現世界ランカー・戎岡淳一(判定勝!)と、錚々たる顔触れ。今日勝てば、デビュー14戦にしてB級昇格ということになるが……。
1R。元Lフライ級と聞いて納得の豆タンク型体格の内田、突進というより盲進という感じで接近し、技術そっちのけの細かいショートをメクラ打ち。唐木は右カウンターや、距離を取ってのジャブなどで反撃するも、内田の勢いに戸惑ったか主導権を失う時間が長く、つまらない被弾も喰ってジャッジ的に微妙。
2R。再び泥仕合を仕掛ける内田だが、動きっ放しのファイトスタイル故か早々にガス欠気味。勢い衰えたところへ唐木が度々左右のフックで内田の突撃を迎え撃ち、有効打を奪ってゆく。強引にジェネラルシップを奪った内田だが、技術に欠ける突進がジャッジにどう評価されるか……?
3R。内田が仕掛けた乱打戦が続く。唐木はジャブが少なく主導権を掴み切れないが、右ストレート、アッパー、左フックなど強打をビシビシ決めて優勢。内田は必死の手数攻めだが、技術もパワーも精度も無いパンチでは積極的な評価は難しいか。
4R。最後まで諦めない内田はラッシング・ファイトを続行。しかし唐木はそれを右アッパー、左フックで迎撃して突き放してゆく。内田もボディに手数を集めるが、やはり非力。最後に唐木は内田をロープに詰めて連打を見舞い、これで確実なポイントアウト。
公式判定は40-36、40-36、39-37の3−0で唐木。駒木の採点は39-37唐木優勢。内田が強引に試合を主導する場面も目立ったが、採点基準で言う所の「技術を伴わない乱暴な突進」と解釈されたか、公式結果はフルマークに近いものとなった。
唐木が相手のラフなファイトに手を焼きながらも、高い戦意とストレート・アッパーなど強打のキレの差で完勝。あとはジャブを増やす努力を忘れない事。一方、これで10敗目となった内田、体格で劣る以上はファイター型スタイルは止む無しだが、今日のような試合振りではこの低勝率も致し方無し。